内容説明
北海道に生息するえぞしかは、秋にたくさん食べて脂肪を蓄え、食べ物がなくなる冬に備えてます。そんな厳しい冬に群れからはぐれたえぞしかの親子。母じかは子じかを必死に守り、子じかは、母じかから強さを学びながら長い冬を生き抜いていきます。
著者等紹介
手島圭三郎[テジマケイザブロウ]
北海道生まれ。「しまふくろうのみずうみ」で絵本にっぽん賞、「きたきつねのゆめ」でボローニァ国際児童図書店グラフィック賞受賞、’87ニューヨークタイムス選世界の絵本ベストテン。「おおはくちょうのそら」’88ニューヨークタイムス選世界の絵本ベストテン(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶち
79
手島圭三郎さんの「いきるよろこびシリーズ」の一冊。北海道に生息するエゾ鹿は、秋にたくさん食べて脂肪を蓄え、食べ物がなくなる冬に備えてます。蓄えの少ない年寄りや体の弱い小鹿は春まで生きられません、という言葉にドキッとします。歩けなくなった子供を狙う狐やカラス。あまりにも厳しい現実に涙がでそうになります。母鹿が狐を追い払うのを見て、小鹿は母鹿の強さを知りました。そうやっていろんな事を学びながら生き抜いていく術を身に着けていくのでしょう。厳しい冬を生き延び、春の喜びを味わう鹿の親子の姿が眩しいです。2025/04/10
keroppi
78
えぞしかは、秋にたくさん食べて冬に備える。厳しい冬を乗り切るために。命の危険を感じながらも懸命に生きる。画面から冬の厳しさが伝わってくる。そしてやがて訪れる春の伸びやかさ。今頃、えぞしかは、しっかり食べているのだろうか。2021/12/02
ume 改め saryo
25
野生の鹿が生きていくのが、想像していたより困難なことを、版画の奥深い絵が教えてくれます。 春の持つ意味が違いますね。 なんて素敵な季節なんでしょうね(^^)/ 2014/03/03
がる
15
エゾシカの食害とか、増え過ぎとか。人間が勝手に問題視しているけれど、シカ達だって一生懸命生きているのにね。2013/07/06
遠い日
9
手島さんの力強い版画に極寒に生きる動物たちの命が宿る。母子のエゾシカの一冬の暮らし。生きるために食う、それすらままならない冬の森。たくさんの天敵との無言の駆け引きが、緊張感を伴って迫ってくる。だからこそ、春めいていく日々の喜びは一入だ。文字通り、飛ぶように走ってそれを表すシカたちの躍動感がすばらしい。2013/07/14