目次
いざ岡山へ!(江川式建築の魅力に出会う;金光中学講座;遷喬尋常小学校本館;コラム 橋から始まる江川式小屋組;旭東尋常小学校附属幼稚園舎 ほか)
次は福島へ!(江川式建築の源流を知る;亀岡家住宅;コラム 江川式建築12のディティール;略年譜;「木割」の洋風建築―“江川式”建築の根底にあるもの(清水重敦) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アメヲトコ
9
福島と岡山で建築技手として活躍し、「江川式」と呼ばれる独特の擬洋風建築を残した江川三郎八の仕事を紹介するブックレット。外観はもとより折上格天井などの内部の仕事がすごいです。小野吉彦さんの写真が建築の魅力を大きく引き出していて、また遊び心満載の祖父江慎さんのアートディレクションがイメージにぴったり。2020/01/10
Lila Eule
6
生い立ち、母の願い、職務への献身、転地先での活躍を知り、会津藩士の生き残った三男の一生は心に響いた。残された建築物を見ると、本書で説明される通り、温かみのある堂々とした包み込む様な姿であった。堂宮大工の棟梁から宮仕えに転身した経歴が、和の精神を洋風建築に吹き込むことを可能にしたらしい。大きな講堂やホールが中心に設えてあり、気詰りな西洋建築にはない、来訪者を招き入れるろうな近代建築だと思う。明治の和魂の遺産と思う。現物を残す活路を見出す地元の努力はありがたい。学校を訪れると1日ゆっくりと屋内で過ごしたい。2020/09/07
noco
0
岡山県に江川三郎八の建築がこんなにあったとは!岡山空襲で焼失したものも多く口惜しい。 終戦の時には亡くなられているが、自分の建築物を焼失させるのを見ずにすんだのは、救いだったかもしれない。 私が訪れたことがあるのは、旧遷喬小学校校舎と八角園舎だけだが、他にも移築、改修され、江川式建築を今も目にすることができるのは、幸せなことだ。この本は深く掘り下げた10の建築物の他に、見開きページや、巻末のカード、江川の自伝「生ひ立ち之記」のダイジェストなど、飽きさせない工夫が満載で、保管していつでも眺めたい本だ。2022/06/08
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