内容説明
魔王オーフェン・フィンランディは魔術学校の校長室で、目まぐるしく変化する情勢を放っておく他なかった。手を打つにも手の数が足りず、匙を投げるわけにもいかない。“死の教主”カーロッタ・マウセンと対面を果たすも、休戦を余儀なくされていた。混沌は極まる。キルスタンウッズの壊滅、市議会からの戦術騎士団への圧力、突然の合成人間の現出…。「約束の地」を夢見た原大陸で、混乱に混乱が上乗せされていく。それでも、オーフェンは知っていた。あの時とは違う。もう全てを捨てられるほど身軽じゃない。絶望だって受け入れなければ、希望はない。答えは決まっている。「笑われても、何度でもやるさ」20年にわたる長編「はぐれ旅」シリーズ。第四部、堂々の完結編!
著者等紹介
秋田禎信[アキタヨシノブ]
1973年生まれ。17歳で第3回ファンタジア長編小説大賞・準入選。『ひとつ火の紛の雪の中』にて作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金目
11
終わったー!遂に終わった。カオスに次ぐカオス展開だったけど、無事一件落着でしょうか。オーフェンもちょっぴり身軽になったみたいで何より。相変わらずの殺さない暗殺者っぷりは見事というか。何か兄貴と妹がそれぞれコンプレックスを脱した話、というと青臭さ過ぎるかもしれませんが、確かにそんな爽やかさがあります。世界は破滅に向かい、人は身に余る力に振り回されるだけだけど、なんとかそこを踏みとどまって行くのが人生だよなぁ、とか、オーフェン一家の喧騒を見るとそんなことを考えます。あと、マジクは早く結婚するといいよ(適当2014/07/31
gentleyellow
8
最終的にキャラの成長しどころが「理想を吠えてただけの万能魔術師より屋根修理している時のほうが役にたっている」なんだな。最後にクリーオウに怒られて片づけ再開するのもそうだし。なんか、オーフェンだけじゃなくてお話自体が大人になったねぇ、って感じ。考えたら秋田先生は、二十歳前とかに富士見の賞とって拾われた人だったんだっけ。大人にもなるし、昔の作品を書くとなったら、大人になったということをテーマにもするよね。2015/06/05
あき
7
もう読み終わってしまった……。キャラクターの感想として、カーロッタはシリーズ通して美味しいところしかもってかなくてずるい、エドさんは塔で最強だった筈なのにもうしばらく見せ場をみた気がしないよ、マジクきみはさ最後の最後までもそんなんだからいつも損クジ引くんだよ、犬はマジでいい子。2014/05/31
あとにいく
6
終わった。何がどうなってどういう解決を見たのか、誰がどうしてどういう変化を遂げたのか、そういったテーマをとっても高いところから俯瞰してみたら、オーフェンの第四部はマクレディ兄妹の話だったのかもしれない。いつの間にか、最後に突然そうなっていた。 何もかも唐突で何もかも思うとおりにいかない感覚。出てくる人のたいがいが圧倒的な強さと経験を持っているのだけど、それが物事の役に立つかと言われたら、このシリーズを見てると、別に持っていれば便利だね、くらいのものでしかない。実にオーフェン。実に秋田禎信だと思う。2014/06/04
吉兆
5
正義と言うのは立場であり真実とは個人の認識である、と言うのが示される終わり方だったな。良かった。2014/05/31