内容説明
14の秋。あたしは取り壊される予定の古い病院へ、幼なじみと肝だめしに出かけた。ほんの気まぐれだったのに、出会ってしまった。闇に潜む白い影に―。それは着物姿の若い女性だった。彼女はあたしに言葉を遺した。「助けて。わたしを殺して」と。その日から、あたしは彼女の秘められた過去を辿っていく…。幻の女「八木澤菊乃」の遺言に隠された哀しき恋慕とは?時を越えて、消えない想いを描く学園ホラー。
著者等紹介
飯田雪子[イイダユキコ]
2月1日生まれ。静岡大学教育学部卒。SF、ファンタジー、ホラーなどを経由しつつ、近年は主に恋愛小説の分野で活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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巨峰
47
怪談系の話かと思いきや、一気に全然違う方向に話が進むのが新鮮。院長が死に閉鎖された古い医院から彼女を呼ぶ声は……2014/11/10
おかむー
40
ホラー小説というくくりながら、あらすじをからラノベ的なものを想像していたけれど悪くない意味で予想外なちゃんとしたホラー…とも微妙に違うな(笑)、ホラー風味のファンタジーというのがいちばん近いか。『可もなし不可もなし』。主人公の中学生・果奈が菊乃の記憶に病的に眠りを恐れ追い詰められてゆく中盤まではホラー。叙述トリックを絡ませて後半で真実の見えてくる菊乃の記憶はミステリ。菊乃の望みを知り、彼女を救う終盤はファンタジーと欲張りな構成だが、どれも一定水準を満たしつつ、反面際立つモノがないところがもったいない2014/11/23
coco夏ko10角
25
ホラー苦手だけど飯田雪子さん&竹岡美穂さんということで手に。夜の病院をうろうろする場面はゾクリ。弱っていく果奈…。戦時中に行方不明になった菊乃さんの真相に驚き。2016/01/21
Yu。
23
そこには一体何が隠されているのか。。。老病院の取り壊しに伴い、肝だめしに訪れた少女に取り憑く着物姿の女性霊が口にする謎のメッセージの意味とは…。少女と女性霊個別の話が交互に進むなかで交わっていくミステリアスな過程に趣を置きつつも最後に待つは驚きのSF的オチというティーン向け幻想ホラー。2015/08/06
わった
17
なんか読んだことあるなと思ったら過去作品の改題でした。昔のよりもホラー要素が薄くなっていて、ホラー苦手な私にとっては読みやすくなっていました。それでも怖いですけど、引き込まれるのは飯田先生のキレイな文章のせいなのでしょうか。2016/08/17
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