内容説明
さまざまな個人情報が取り引きされる名簿屋に勤める折原の元に、見慣れぬ名簿が舞い込んだ。そこには自分の情報の他に、最近世間を賑わしている連続惨殺事件の被害者たちの名前が載っている。一体何の名簿なのか?なぜ自分の情報が?にわか探偵となり謎を探るうちに―。殺人事件と記憶にある食卓の光景、さまざまなピースが嵌まるとき、衝撃のラストが待ち受ける。
著者等紹介
牧野修[マキノオサム]
1958年大阪生まれ。大阪芸術大学芸術学部卒。高校時代に筒井康隆主宰の同人誌「ネオNULL」で活躍後、1979年に奇想天外SF新人賞を別名義で受賞。92年にハィ!ノヴェル大賞を『王の眠る丘』で受賞し、同書にて“牧野修”としてデビュー。2002年、『傀儡后』で第23回日本SF大賞を受賞。SF、ホラー、ミステリなど多岐にわたる分野で数多くの作品を発表し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
44
「わたしの肉はまことの食べ物、わたしの血はまことの飲み物だからである」名簿屋に務める男が見つけた連続殺人被害者の名簿ってシチュエーションだけでお腹いっぱいになれるのに、そこに見え隠れする記憶にない食事風景がさらにそれに輪をかける。食事の謎(エピグラフで大体予想つきますが)はもっとグロいかなと思ってたけど意外とあっさりめ。あと男と少年のパートが交互に語られる構成なのだが、両者の間隔が短すぎて少し物語に嵌りにくい。とはいえラストは予想したものより一捻りが加えられており、この辺は流石に安定感が感じられる。2013/10/10
J7(読メ低浮上中)
37
自分は食べることが好きだ。だから食がテーマになっている昨今の食べ物系漫画やドラマも好きだが、一方でこの本のように食に対する忌まわしいイメージを持つこともわかる気がする。それは食という行為がどこか背徳的なものにも直結することがあるからかもしれない。まーピチャピチャと、何かを食べている姿が浮かぶような描写の数々。ホラー作家である牧野さんが書くと、食事も何か気持ち悪くなるような行為に見えるから食べ物好きには辛いかも。同じような食ホラーに田中啓文さんの『異形家の食卓』に通じるグロテスクさ。炒飯は大好物だけどね!2018/04/16
mr.lupin
31
ホラー、サスペンス、食、繋がるような、繋がらないような。。。。もっと、ドキドキ、ハラハラを期待していたけど、残念ながら期待はずれだったかも?選択ミスでした。。。(笑) ☆★★★★2015/02/11
青葉麒麟
27
何だったんだ、一体。この作品のメインテーマ?のカニバリズムが割合あっさり目なんですけど。グロくない、キモくない!!後、文章が意外と読みにくい。変な比喩入れんの止めて。自分の文に酔ってる?【違和感を感じる】が二回も出て来て呆れた。編集者も見落としたの?2016/09/12
Yun
22
牧野修氏初読。食と死と言う相反するものをテーマとして語られている。そこに絡み合う「記憶」。全体を通して残酷な描写が多い。話しの展開もいろいろな意味で驚きだった。好き嫌いがはっきりと分かれる作品だと感じた。2015/06/26