内容説明
雑踏の中を、長い黒髪を揺らしながら、一人の女が歩いていく。幼さの残る顔立ちに理知的な視線。細身の身体を包むロングコート。しかし、すれ違う人々は知らない。そのコートの下には、肉体を締め付けるようなボンテージ・ファッションが隠されていることを。女の名は美礼。SMクラブ“ミッド・ヘブン”の女王だ。ある日、美礼は常連客だった男の飛び降り自殺を知る。一つの死は別の死を呼び、やがてM奴隷たちの連続自殺事件へと繋がっていく。捜査の先に浮上する“この世の果ての真実”とは?追い詰められた者の狂気。捨てられた女性の過去。隠された罪。そして―。孤独な魂が傷つけあう、サディスティック・ミステリー。
著者等紹介
華雪ルイ[カユキルイ]
作家、脚本家。代表作に『願いをこめて』(脚本)『デストロイ・ヴィシャス』(脚本協力)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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CCC
5
SMが題材の話だけど、なぜだか落ち着いた雰囲気だった。登場人物は決して普通の人ばかりでもなかったが、皆どこか理性的だったからそれが原因かも。かといって描写も浅くはないし、ミステリー要素もあって、それなりの納得感を得られた。実はバランス感覚がいい作品なのかもしれない。2020/11/11
あやね
1
表紙から。お話はなんとなく先が読める感じ、でも読みやすかった。ヘルタースケルター(映画の方)を観た時と、同じような感覚~( ・ω・)2013/06/12
だびゅ
1
SM女王に関わった人々が怪死する話個人的にSMに興味があたったとかではなく、表紙女性に踏まれてみたいと妄想したので購入決定。最初は推理ものかと思ったけれど、成り行き任せで事件が解決した感じだけどこの話の本題は怪死事件ではなく幸せを求める人達の話だと思った。ラストが面白い、事件の話はあのラストのためかもしれない2013/01/17
藤崎
1
絵買い。読み終えた後もその印象が変わらなかったので残念、と言った所。作中の登場人物や小道具を展開のために余分なく使いきっているので、逆に先が読みやすい。そうでなくても、例えば132ページで伏線も描写もないはずなのに「あれ、こいつひょっとして・・・」と思ってしまうくらいにはわかりやすかった。テーマである胡蝶系人生観もせっかくの「ひっくり返される」感覚が弱い。ただ、内容自体は深いので逆を言うならそれらが読み手の波長に合っていればはまり込めるようになっているとは思う。個人的にはその波に乗れなかったのが惜しかった2012/11/06
霧香
0
登場人物全員が氏名ともSかMで始まる、会社や店も全てやはりSかMで始まる名前など徹底ぶりがすごい。2013/12/16