内容説明
オカルティズム、自己啓発、神秘主義―トランプ政権の背後に存在する“隠されしパワー”の全貌を暴く!アメリカ合衆国第45代大統領選を皮切りに台頭したオルタナ右翼とポピュリズムの全世界的な隆盛。その裏に通底する西洋のオカルト・秘教潮流を精緻に論じた“オルカト・ポリティクス”の画期的論考。
目次
序章 新世界「無」秩序
第1章 「勝つのはわたしだ」
第2章 ポジティブ・カオス
第3章 グルとデマゴーグ
第4章 オルタナ右翼のいま
第5章 それが伝統
第6章 万人の万人に対する闘争
第7章 カオスの政治学
著者等紹介
ラックマン,ゲイリー[ラックマン,ゲイリー] [Lachman,Gary]
アメリカ合衆国ニュージャージー州生まれ。作家。意識、対抗文化、西洋秘教伝統について執筆・講演活動をおこなう。1996年からロンドン在住。ロックバンド「ブロンディ」の創設メンバーであり、2006年にロックの殿堂入りを果たす
安田隆[ヤスダタカシ]
1957年、兵庫県生まれ。ミュージシャン(ドラマー)として活躍するかたわら、東洋の医術や武術、瞑想法などを習得。1990年、横浜市に「気の整体術研究会」を設立。95年、気の整体術研究会を包括する組織「THE ARK COMPANYジ・アーク・カンパニー」を設立
小澤祥子[オザワサチコ]
1980年、東京都生まれ。東京外国語大学アラビア語専攻卒業。編集・翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
57
トランプ政治というより現代の思想潮流を、伝統的なオカルトと絡めて論じた一冊。一見トンデモそうに見えるが、扱っている内容がポジティブ・シンキング、オルタナ右翼、ロシアの地政学と興味深い内容ばかり。それを過去からのオカルティズムの流れで説いている。やはり一番面白いのはメスメリズムから続くポジティブ・シンキングの系譜や現代ロシアに息づく地政学や第二次世界大戦前からのオカルトの伝統。全て真っ直ぐに受け入れるのは微妙な部分もあるが、現代と過去はこういう伏流水じみたもので繋がってると考えると何やら浪漫がありそう。2020/06/12
garth
14
やはり注視すべきはスティーブ・バノンとアレクサンドル・ドゥーギンの二人であるという直観は変わらず、その視点からするとこの本は枝葉末節のことに気を取られすぎて本質を見失ってる感。ニューソートはあくまでもアメリカ的思想ではないかと思うし、ケイオス・マジックについてもこれでは…とケイオスをバカにしがちなオレから見ても疑問が残った。もともとそんな本であるのに、翻訳のせいでさらにわけわかんないことになっていて、「国民社会主義労働者党」「社会(的)正義の闘士」「トラディショナリズム」といった聞き慣れない訳語が頻出する2020/07/17
モスラ
2
面白くないわけではないが衒学趣味で読みづらい箇所が多く、最後、何を言いたいのかかわからずなかなか感想が書けずにいる。後書きに唐突に天皇がでてくるのはなぜか知りたいような気もするが……。エヴォラやゲノンが伝統主義であるがゆえに右派と相性がいいこと、バノンやドゥーギンがエヴォラやゲノンを好むのはなぜかがわかってそこはとても面白かった。2020/07/19
ami
1
面白かったです。2024/06/06
河村祐介
1
オカルトなパワーを信奉する神秘主義と反動的な政治勢力は手を携えてというのを、トランプ=バノン、プーチン=ドゥーギン的な現代のメンター的な役回りを、という感じ。ちょいとこじつけがましいところはあるような。2022/03/13