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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トラシショウ。
29
「一体何だったんだろ・背表紙に触った瞬間のあの感覚・動物の背中に触れたみたいだった」。積読消化。ちょっとおバカだけど平凡な女子高生・狛江ショーコはある日、物静かなクラスメイト・片桐スイの不思議な力を目撃してしまった事から触れ合う切欠を持つ。ハサミやトースター等、「見えないけれど「そこ」に確かに「在る」」スイの産み出すその力の秘密を共有し、二人は親交を深めていくが。数々の大賞受賞で名前だけは目にしていた作品をようやく手に取る。親しみやすい画風に危うさを色濃く残すストーリーが鮮烈な印象(以下コメ欄に余談)。2023/09/01
ymmtdisk
17
明朗快活な狛江ショーコと、仕組みや構造を頭の中に思い浮かべて組み立てられれば、透明なそれを「現実に引っぱり出せる」能力を持った片桐スイ。クラスメイトの二人は雨の日に偶然出会い、時間とともに仲を深めるけど、クラス分けで離ればなれになってからスイちゃんの様子がおかしくなり…… / すごく面白い。前半の展開で、スイちゃんの能力とショーコちゃんの天然っぽさを活かしたクスッと笑える内容かなぁ、と思っていたらいい意味で裏切られた。空白を悪意が侵食していく。既刊1巻だけど、良い映画かドラマを見たような気分になっている。2021/01/15
みやしん
16
透明な「何か」を具現化する超能力。想像力が飛躍さえすれば世界をも変えかねない恐ろしい力は、ストレス発散で抑えが効かなくなった時…主人公が今後どう立ち回るかがキー。2022/07/12
内島菫
15
超能力というより、ミメーシスの問題が即物的に表現されているようで興味深い。文学の言葉が、再度、けれども作品中において現実へ投げ返される際の変換機あるいは触媒である片桐は、お手本と自身の想像力でミメーシスを実行する。が結果、創造したモノは確かに存在するが透明で目には見えない。文学が言葉だけでモノゴトを表現するように、片桐は触覚や機能で創造物を表現する。そして創造行為は必ず世界の秘密に触れずにはいられない。ボルヘスが夢から実体化した男を描いたように、片桐はその能力で人間を創造しようとする。2021/09/18
緋莢
10
「入れて」、「入る?」失恋し、雨に降られて踏んだり蹴ったりの女子高生・狛江ショーコ。家に帰る途中、ショートカットで立ち入り禁止の私有地に入っていったが、そこで同級生の片桐スイと出会う。彼女は、〝見えない傘”を持っていて…刊行した頃に書店で見かけて、興味を惹かれて購入したもののだいぶ長い間、積読にしていました。「…まず――頭の中に部品を思い浮かべる…そして想像の中で組み立てる… うまくいけば――現実に引っぱり出せる」そんな不思議な力を持つスイ。それを知ったショーコが(続く 2024/12/18