内容説明
新美術館の開館に向けて奔走する初代館長。そのミュージアム愛溢れる現場からの声を中心にミュージアムの歴史や法律、制度も押さえながらミュゼオロジーの基礎となる理念に迫る。利用者の五感にはたらきかけ、心を躍らせる21世紀にあるべきミュージアムのかたち。
目次
第1章 二一世紀のミュージアム像を求めて
第2章 ミュージアムがあらわすもの―定義・種類・目的・機能
第3章 ミュージアムとミュゼオロジー
第4章 稀代のミュゼオロジスト=美術館構想者、柳宗悦
第5章 MoMAに喧嘩を売った男―ミュゼオロジストとしてのイサム・ノグチ
第6章 現代のミュージアム事情を見る―観光、リテラシー、触覚的空間
第7章 ミュージアム紹介
著者等紹介
新見隆[ニイミリュウ]
1958年、広島県生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。専門は美術史、デザイン史、美術館学。セゾン美術館学芸員を経て、武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科教授。大分県立美術館館長。イサム・ノグチ庭園美術館学芸顧問。二期リゾート文化顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mashi
1
紙面からパッションが滲み出てるな。「宇宙の心」とかいう語がそれなりの頻度で登場するこの本が、実際に教科書として使われてることを想うとちょっと面白い。2015/10/20
の
0
美術館の機能、歴史、種類などに触れ、ミュゼオロジーの目的を明らかにする入門書。美術品の収集・保管と研究の公衆への展覧の一般的な美術館から一歩進んだミュージアム像、個人が美術品と対面し、潜在意識を作品の中に投影させ、高揚を体験する一連の流れを生みだすには、どうすれば良いのか。地域性・作品性・身体性といった、美術品と人間を繋ぎうる固有の情報がキーワードとなり、いかに美的に生きるのかを作品が指し示すよう仕向ける。それはミュージアムの建築そのものや、カフェのメニューも含まれた、一貫したものでなければならない。2015/07/20