出版社内容情報
鮎。日本を代表する川魚であり、その香気から「香魚」とも呼ばれ、江戸時代には多摩川の鮎が「御用鮎」として幕府に上納されていました。長良川郡上の鵜飼い漁も有名です。釣りの世界では縄張りをもつ習性を利用して「オトリ鮎」で野鮎を掛ける友釣り、絢爛豪華な毛バリ釣り、また最近は若い人の間でルアーの鮎釣りが流行の兆しを見せています。
本書はそんな鮎の「味」に焦点をあてた一冊。繊細優美な天然鮎の味わいにほれ込んだ20名の“香魚の礼賛者”たち=文人、美食家、農学者、料理人らが鮎の味と料理について思いのたけを綴り、語った文章を、著者が著作などから一つ一つ根気よく探し当て、”味わい深い”鮎の味覚の物語を紡ぎ出してゆきます。
押し寿司、鮎飯、瀬越、姿ずし、焼きジュー、活き鮎の洗い、落ち鮎の腹の子(卵)、鮎田楽、釣瓶鮓、塩焼……いずれも際立つその描写は、目を閉じればまぶたに料理が浮かび、言葉から立ち上がる味覚が舌を、香りが鼻腔をくすぐってやみません。
今まで、ありそうでなかった文章による「鮎の味」、現代の食通を唸らせる内容です。
内容説明
現代の私たちが忘れかけてしまったかもしれない、繊細優美にして爽淡な天然アユの味に惚れ込んだ20人の文人・文士・食通たちの食べっぷりをとくとご堪能あれ!
目次
谷崎潤一郎 押し寿司
池波正太郎 鮎飯
村井弦斎 「フエタス」「サラダ油焼」「三杯醤油」
立原正秋 瀬越
木下謙次郎 姿ずし&鮎めし
稲葉修 焼きジュー
北大路魯山人 活アユの洗い
佐藤垢石 頭と骨
阿川弘之 塩焼
獅子文六 塩焼
福田平八郎 ワタの石焼
瀧井孝作 干鮎の煮浸し
白洲正子 塩焼
小島政二郎 鮎寿司
丸谷才一 アユ田楽
神吉拓郎 釣瓶鮓
國分綾子 子持ちあゆの塩焼
高橋治 うるか
辻嘉一 塩焼
小泉武夫 ウルカ・熟鮓
著者等紹介
世良康[セラヤスシ]
1948年生まれ。大学中退後、編集者、コピーライター、夕刊紙記者を経て、フリーライターに。釣り歴は43年。清流のアユやヤマベ釣り、渓流のヤマメやイワナ釣り、海では磯のメジナやボートでのシロギス釣りなどに親しむ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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