内容説明
山小屋本の常識を覆す傑作か、それとも論評の余地なき駄作か、登山界に小さな波紋を投げかける問題作。縦横無尽に、赤裸々に山上の暮らしを描く、ひと夏の小屋番日記。
目次
沢登りから小屋番へ(とりあえずの私紹介;きっかけは意外な場所から;小屋番への道 ほか)
飯豊の小屋番日記(門内小屋へ;小屋番開始;友あり ほか)
さらに続く小屋番日記(情熱は性愛を獲得できるか、の考結;七勝二〇敗;早業の極意 ほか)
著者等紹介
高桑信一[タカクワシンイチ]
1949年、秋田県生まれ。電電公社からNTT勤務を経て2002年フリーランスに。「ろうまん山房」を設立し、取材カメラマン、ライター、渓流ガイドとして活動する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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T2y@
6
先月登りに行って泊まった、飯豊連峰 門内小屋。 その小屋番を勤めた高桑さんのエッセイ。 あの時もいらっしゃったし、登る前に読んで、ちゃんとお話しておきたかったなぁ。 厳しくも無二のあの山路を思い出しながら読む。 飯豊山に同道してくれた同級生も、(なぜか笑)名前を間違えられていたが登場し、とても身近に身近に感じて読んでいた。 まるで山小屋で話しを聞いているかの様に。 キツイ山旅だったけど、来年また登りたいとも思えた。2013/09/03
石野卓球
3
頭の中で思っても口には出さないような事が多い感じの本だった。当事者なら読んで気分を害す人もいるのではないか。物の見方に著者の年齢も感じた。わたしが数年前に門内小屋に泊まった時は管理人はおらず、宿泊者は2名だけで非常に気持ちよく過ごせた。今夏、飯豊縦走したところ、各小屋の設備や手入れが以前に比べ、とても細かく行き届いており、気持ちよく過ごせた。門内、頼母木はちょうど管理人が不在で気楽だったが、管理人さんの性質によっては過ごし方に気を使いそうだなと思った。2018/10/14
natukoba
3
山の雑誌を見て気になっていた本。懐かしい飯豊の山小屋の夏の管理を任された人の日記。山にまつわる人達の何気ない生活が垣間見えて楽しい。元気なうちにもう一度行きたいと。2013/06/29
ふらら
2
7月に1ヶ月、飯豊連峰の門内小屋の小屋番をすることになった著者。雨ばかりの年だったようす。今年、自身も飯豊山へ。ドンピシャの晴天続きで満足の山行。飯豊山、大日岳までの縦走だったので、梅花皮小屋〜門内小屋〜頼母木小屋方面は次回のお楽しみ。避難小屋なので食料、寝袋担いで行くのは大変でしたが、登山者と語らいながら飲んだお酒は最高でした。地元の皆さんに愛される山と実感。2020/10/30
azuno
2
図書館の検索で他の作品を検索していて、手に取った本。山小屋の管理人「小屋番」を約1ヶ月やった顛末記なのだが、なかなか興味深かった。風呂も洗濯も無しなのね。ひとつ気になったのは迷った(遭難しかけていた)人の写真が掲載されている事。当時(刊行は2013年)との世相の違いか?2019/11/07