内容説明
はじめに国境ありきの一国史を離れ、比較考古学の視点から、日本諸島における中の民の形成に迫る。ヒスイと碧玉は、ストーンアクセサリーの玉石材である。青銅、鉄など、使用製作が普遍化していく金属と違い、東北アジア、日本諸島といった地域世界ないしその一定範囲で普及した。ヒスイ勾玉と碧玉管玉の組み合わせは、大陸文化に連なる民であると同時に、独自の民として自らを認識した現れでもあった。それら造形と組み合わせを観察、生産流通と分布を分析し、碧玉製品はじめ継起する現象を関連づけ、議論していこう。多様な地域性の連鎖から一つの大きな倭へ、本州諸島民のなりたち、民族形成と倭国成立が見えてくる。
目次
第1章 日本考古学史における自民族認識
第2章 日本諸島における弥生時代
第3章 碧玉管玉と装身文化の大陸化
第4章 ヒスイ勾玉再考
第5章 三角縁神獣鏡と腕輪形碧玉製品
第6章 考古学からみた倭国成立
著者等紹介
河村好光[カワムラヨシミツ]
1952年石川県金沢市生まれ。1975年金沢大学法文学部史学科卒業。現在、石川考古学研究会副会長。文学博士(大阪大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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