目次
泥の花
冥宮
流離
雪鯖
真夜の雛
月虹
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
スプーン
39
震災を経験した俳人の句集。沈痛。唯々沈痛。読んでいると足元にあの日の汚泥が流れ込んでくる。どうしていいかわからない。2023/03/07
松本直哉
27
句集を読んで泣いたのは初めてかもしれない。言葉少なの歌の背後に無限の慟哭がきこえる。こんなにシンプルな言葉の組合せが、これほど深く心を揺さぶるとは。/ 双子なら同じ死顔桃の花 / 卒業す泉下にはいと返事して / 亡き娘らの真夜来て遊ぶ雛まつり / 撫子のしら骨となり帰りけり / 外の輪は脚の無き群盆踊 / 在るはずの町眼裏に雪が降る / 春の海髪一本も見つからぬ / 毛布被り孤島となりて泣きにけり / すすきに穂やうやく出でし涙かな / 空蝉のどれも己に死に後る / 漂流す春満天の星のもと2023/09/30
RulywoFulci
5
「悲しむ」ということに、自分はちゃんと向き合えているのかと突きつけられるような句集。一人死に、二人死に、三人死に、四人死に、五人死に、六人死に、二桁死に、三桁死に、四桁死に、五桁死に、一万人以上が死んだあの震災に。 とにかく、素面で読むにはきつすぎて、いつも酔っ払った勢いで読んでる。 一番好きな句…なんてものはないけど、一つあげるとしたら『なぜみちのくなぜ三・一一なぜに君』。この問いに答えられるのか、あるいはこの問いを埋めようとする行為が文学や芸術なのかと。年表に閉じ込めてはいけないものがここにある。2022/08/21
よし
3
東日本大震災が主題の句集。著者のエッセイ「釜石の風」を読んで、この句集を手に入れようと思いましたが、既に単行本は絶版。先月、文庫版になって発刊されたことを知り、取り寄せました。特に冒頭の「泥の花」の一連の句は、10年前の3.11の様子が押し寄せてくる感じ。もしかするとドキュメンタリーより伝える力があるのではないかと思いました。亡くなった子どもたちを詠んだ句はつらいです。2021/02/06
PETE
1
これ、読み終わったのが偶然今年の3/11で、11年前の東北の苦難を生き残った著者が、その無力感、空しさを詠んでいてきびしい。 一切を放下の海や桜散る 外の輪は脚の無き群盆踊 春の海髪一本も見つからぬ2022/03/11




