目次
1(想いの伝わらない言葉;夏の雨;完成する秋 ほか)
2(夢綴り;いつか;そのいつか ほか)
3(どんな悪い夢が;愛ではなく;原子的欲求 ほか)
著者等紹介
松村栄子[マツムラエイコ]
静岡県生まれ、子ども時代は主に福島県で過ごす。筑波大学第二学群比較文化学類卒業。1990年『僕はかぐや姫』で海燕新人文学賞。1992年『至高聖所』で芥川賞。福島県文学賞審査委員。いわき応援大使(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
80
☆4.0 先日読んだ松村さんの小説が良かったので、この詩集を手に取った。なかからひとつご紹介 // / ぼくの時 / 否定語を並べれば / ぼくができる //2021/05/01
けんとまん1007
29
私が存在するということ。それは、稀有なことでもあり、貴重なことでもある。思い、思い続け、悩み、悩み続け、いのちを育む。それは、存在することで、影響するということ。2018/12/03
kanata
22
京都在住、茶道と弓道を通した若者の成長譚「粗茶一服」シリーズの作者でもあり、能楽の本も出す松村さんが、詩人になりたかったなんて驚いた。多才だ。10代20代の溢れんばかりの「問い」が凝縮されていて、素直に読め、心に響く。解説の鈴木比佐雄さんの書くように「生々しい精神のリアリティ」と「詩と小説の境界を越えた」ものがそこにはあった。「そのいつか」の≪少し眠らせてくれませんか/数千年ほどでよいのですが……/だってまだこの星は/夢に染まっていないから≫紫の星は紫微星のことだろうか。長く生きた星の終わりかもしれない。2019/05/21
海燕
13
著者は1992年に「至高聖所」で芥川賞。私は「こんな作品が芥川を取るのか!」と驚きをもって読んだことを覚えている。その後、どちらかというと寡作な作者だが、詩集が2018年に出版され、ここでもまた驚いて買い求めた。鈴木比佐雄氏の解説によれば、著者が小説を書き始める前の1989年頃までに作られた詩篇だという。若さゆえの清新さと、危うさや脆さが見え隠れする。著者は「詩人になりたいと願っていた」のだとか。そのまま詩作を続けていたら、「僕はかぐや姫」「至高聖所」が書かれることはなかったかもしれない。2024/07/14
mer
13
「否定語を並べれば僕ができる」という言葉が自分に似合いすぎて、それが虚しくて、でも腑に落ちて、言葉って魔法のようだ。2021/01/19