目次
序詩 遠き昔の哀愁曲
連絡船
憧憬の東京
常磐寮の先生と友
渋谷の街
渋谷の道玄坂
連判状の手紙事件
甘酸っぱい思い出
人生の旅路はさびしい
追憶の先生達〔ほか〕
感想・レビュー
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ekura
2
著者の遺作となってしまった詩集。著者は1938年に実践女子専門大学(現・実践女子大学)に内地留学生として入学し、全羅南道木浦から上京して渋谷の常磐寮に住んだ。 卒業後、検事の男性と結婚しピョンヤンに赴任。敗戦直後にソ連軍に追われて徒歩で南下、赤子を失いながら38度線を越え生還するも、1950年には夫が北朝鮮に拉致され、行方不明に。その後は事業を起こし、遺児を育て上げる。 戦前期の渋谷や実践女子大周辺の雰囲気が知りたくて読んだのだが、戦争がふつうの人の人生に与える計り知れない打撃について深く感じた。2022/02/04