目次
はじめに
級友とヒロシマ
ヒロシマ原爆地獄
黒い雨、放射能症
広島赤十字病院
医師たちのヒロシマ
被爆医師の書簡(今川卓治)
佐々木教授の報告書
広島第二県女二年西組―原爆で死んだ級友達(関千枝子)
「一族13人の死」(佐伯敏子)
ドイツ人神秘達の見た八月六日―ジョン・ジーメス神父の記
クラウス・ルーメル神父の日記
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
めしいらず
57
我が子を庇い共々焼け死んだ母。焦熱から逃がれんとした人々の死体で埋め尽くされた川。焼け爛れた皮膚を垂れ下げ人間の姿を止めぬ人々の行進。立ち姿のまま炭や白骨になるまで焼けるほどの熾烈な熱さ。生き延びた人も、救えなかった命のこと、阿鼻叫喚の記憶、そして自らの原爆後遺症に生涯を蝕まれ、苦しみ抜いた。読んでいて息苦しくなる凄絶さ。この世に現出した地獄。瓦礫と死臭と呻き声で溢れかえったあの日の真実を、私達はほんの一端も知らないのだと、知る。私達にできるのは、忘れずにいて、次世代に伝えること。多くの人に読んで欲しい。2015/08/12
ベル@bell-zou
23
赤い血と炎。黒い空と街。この世には他に色が無いのかと思うほどの壮絶な地獄絵図。けれどもこれは確かに現実だったのだ。ここに描かれた人の無念、これを描いた人の後悔、そしてその全ての人の苦しみ。一瞬のことであったであろうその時に我が子をかばったまま炭と化した母。自らの姿すら視認出来ないまま防火用水に俯せたままの人々。死体の、川。興味深かったのは医師たちの手記。死因が外傷や熱傷でも白血球がなく体が既に外敵に対して無防備な状態だった、という行は、生物としての機能を一瞬で奪う中性子の恐ろしさを知る。↓続く2018/08/05
Noboru
6
原爆の悲惨さ、残酷さを改めて思い知らされます。原爆資料館や「はだしのゲン」なども、理解を促すものとして優れていると思いますが、被爆者した人を看護した人や、自分の肉親が被爆した時の経験など、体験者の残した様々な絵や文章には、また違った重みがあります。こういった作品は、気持ち悪いとか興味がないと言って敬遠される事が多いですが、世界の人々に是非目を通して欲しい書籍です。2015/07/31
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