戦時下の絵本と教育勅語

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  • サイズ A5判/ページ数 128p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784864121262
  • NDC分類 155
  • Cコード C0021

目次

1 美談をつくりあげる絵本
2 歴史観をすり込む絵本
3 アジアの子どもは皆仲良し
4 家族と国家
5 戦う子どもの教育
6 日の丸のもとに
7 子どもも働け
8 撃ちてし止まむ

著者等紹介

山中恒[ヤマナカヒサシ]
1931年北海道小樽市生まれ。児童読み物・ノンフィクション作家。1960年『赤毛のポチ』で日本児童文学者協会新人賞、1974年『三人泣きばやし』で第21回産経児童出版文化賞、1978年『山中恒児童よみもの選集』で第1回巌谷小波文芸賞、1993年『とんでろじいちゃん』で第31回野間児童文芸賞、2003年第38回エクソンモービル児童文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

がらくたどん

63
古内一絵氏の『百年の子』を読みながら。小説中では「子犬の」山中(「あばれはっちゃく」ですかね)で名前だけご登場の山中恒氏による戦時下の絵本資料集。とにかく図版がたっぷりでしかも鮮明。題材も最終的には「戦意高揚」に結びつくのだが戦闘場面から遊びやお手伝いまで年齢に合わせて幅広く、カラフルで写実からほのぼの系まで表現も多彩。共和圏のアジア諸国への興味を促すポップアップ絵本まである。本格的な戦時体制に入った昭和12年以降、従来の児童絵本を娯楽偏重と断じられた出版社が存続と商機を賭けていかに「頑張った」かが分かる2023/11/15

バニラ風味

19
今週末、山中恒さんのお話を聞くので、それに向けて予習。戦争に向けて、国民は「世界の中で日本が一番、日本が正義。そこに住んでいることの幸せ」を、繰り返し、吹き込まれました。それは、学校、絵本などを通じて、子どもの頃から教育されたのです。それ以外の考えを持つことなど許されなかった時代を、山中さんは過ごしました。その頃を振り返りつつ、その時代の絵本をカラー写真で紹介しています。2018/02/22

無識者

10
丸山真男がいう同心円状の体系というのが、いまいち実感できずにいたが、かなりなるほどと思えた。戦前の教えは基本的に(それはフィクションであるが)歴史性を帯びた状態で伝えられ、その教え道徳を守ることで歴史に連なる皇国民であるということに同一性を持ち続けられるのである。しかし、その教えの行き着くところは「一旦緩?急?アレハ義勇?公?ニ奉シ以テ天壤無窮?ノ皇運?ヲ扶翼?スヘシ」なのである。皇国民であり続けても結局命を捧げるだけでよいことがまるでない。2018/03/03

絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく 

3
交流会【テーマ どうやって選ぶ?戦争と平和の本】2018/02/20

ヒトコ

2
戦前、小学校で教育勅語を暗唱させられたり御真影が奉られたりしていた事は父から聞いていた。校長が定期的に勅語を読むのも聞いていたが、その後講話やら何やらで児童が苦行を強いられていたとは知らなかった。最近TVで、ナチスの宣伝大臣を務めたゲッペルスが子どもへのプロパガンダを重要視していたというのを見たが、日本でも教育勅語や教科書だけでなく、絵本を使ってそれが行われており、親への読ませ方まであったとは。考えて見ればありそうな事だったが見落としがちだった。いつの時代も国家の教育方針には目を配らなければならない。2018/06/06

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