内容説明
ちっぽけな船乗り子猫は、なぜイギリス中の英雄になったのか?人間や動物の苦しみが分かる、臆病だけれど心優しい水兵猫サイモンの一人称で綴られる、戦時中の事実を基にした、美しくて切ない感動ストーリー。
著者等紹介
ドノヴァン,ジャッキー[ドノヴァン,ジャッキー] [Donovan,Jacky]
イギリスの作家。サウサンプトンからロンドンへ、それからスペイン領グランカナリア島へと移り住む
梶山あゆみ[カジヤマアユミ]
東京都立大学人文学部英文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
141
図書館の新刊コーナーで見つけて読みました。実在したサイモン二等水兵猫の冒険譚、微笑ましく一気読みです。日本では、あまり知られていませんが、猫が主役なので、映像化されると人気が出そうです。昔は船内の鼠対策で猫を乗船させていたようですが、今でもそうなのでしょうか? https://www.youtube.com/watch?v=iq7BMGbThHk2018/06/09
mocha
88
香港で拾われた子猫がイギリスの軍艦に乗り、兵士たちと苦難を共にする実話物語。猫の一人称で書かれていて口調の幼さがやや読みづらいけれど、ラストは号泣だった。勇敢な動物として勲章をもらうことよりも、仲間達のそばにいることの方がよほど幸せだったにちがいない。 2020/02/21
ぶち
87
第二次世界大戦直後に揚子江で起きたイギリス海軍のアメジスト号事件に基づいたフィクション。 実際に乗船していた猫のサイモンと犬のペギーの視点でこの事件を語っています。 猫同士の友情、猫と犬の友情、人間と猫や犬との友情の温かさ、そして紛争の悲惨さもひしひしと伝わってきます。 心優しくちょっぴり臆病なサイモンのユーモアあふれる言動とワクワクの冒険を楽しみながらも、最後の結末は悲しく、なにかやるせないものがあります。 「夜回り猫」の深谷かほる先生が描いた凛々しいサイモンと優しいペギーの表紙の絵も素敵です。 2018/06/25
みゆ
51
読友さんのレビューで見た表紙、サイモンの凛々しい立ち姿と短パン・ムキムキ水兵さんの群れに一目ボレ♪ でも読んでみるとネコ目線の語り、翻訳モノ、海軍用語とかなり苦戦。しかもネズミを獲れない臆病ネコですと!?動くものに反応し、なぶり殺しにするのがネコの本能やろ~!と突っ込みまくりでした(^-^;2018/07/29
mntmt
23
史実に基づいたフィクション。猫のサイモンの視点で語られる。「アメジスト号事件」はあまり知られていないと思う。第二次大戦後にこんなことがあったなんて知らなかった。猫はそこにいてくれるだけで、安らぎを与えてくれるのだな。2018/10/10