内容説明
名だたる廃墟を一望する本邦初の網羅的写真集。
著者等紹介
佐藤健寿[サトウケンジ]
武蔵野美術大学卒。自然物・人工物・タブー・奇習など世界各地の“奇妙なもの”を対象に、博物学的・美学的視点から撮影・取材・執筆を行っている。世界80カ国以上を巡って撮影された写真集『奇界遺産』(エクスナレッジ)は異例のベストセラーに。世界の奇妙な現象を調査するウェブサイトX51.ORG主宰者としても知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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のっち♬
155
佐藤健寿監修。世界の26の廃墟の写真と解説。異世界のような「共産党ホール」「マンセル要塞」「パワープラントIM」、綺麗さが悲痛に映る「チェルノブイリ」は四大廃墟というだけあって圧倒的。「クラーコ」は浮いたチョイスだが幻想的で見応え十分。「オラドゥール」「黒海のシェルター」「秘密地下壕」といった戦災の類は特に深い闇を感じる。「線路なき地下鉄駅」「幽霊マンション」「北朝鮮のバベル」など戦後の廃墟は杜撰な都市計画を象徴したものが多い。ここには発展の過剰分として人類が廃棄してきた未来の一部が静かに横たわっている。2021/09/30
Kawai Hideki
108
嫁借り本。これも娘が気に入って、毎晩、(娘)お母さん、怖い?、(妻)怖いよ!、(娘)怖くないよ〜、の謎のやりとりを繰り返していた。さすがに廃墟だけあって、人の存在と死を意識せずにはいられない写真が多い。無計画建造物や、閉鎖された巨大工場、広大な廃棄物置き場などはまあ「鑑賞」できるが、戦争・大事故・自然災害の爪痕や病院関係の廃墟はちょっときつい。日本からは、軍艦島と大久野島が収録。2015/08/16
jam
68
人はなぜ廃墟に惹かれるのか。作品には廃墟の写真と共にその考察も記されている。先日、歴史ある温泉地の旅館を訪れた。泊まれる文化財と謳われるそこは確かに趣溢れるお宿で、風呂も創業当時から継がれ守り続けられたものであろうことが偲ばれた。しかし、それ以上に惹かれたのは、隣地の奥に垣間見える廃墟だった。草木に侵食されたそこは、既に風景の一部になり静かに朽ちていた。それはどこか人や動物が土に還る様子を思わせた。この世の時間から切り離された世界。そこに流れるのは時間ではなく、かつての時間の残滓。2025/03/01
山田太郎
66
力丸野外スケートを思い出した(福岡の人以外わかんないだろうけど)廃墟ってなんかいいよなと思った。つぶれたホテルとか病院がいいよな。2015/11/17
ハイカラ
59
非の打ちどころのない素晴らしい写真集だった。事件事故自然災害、あるいは必然的衰退により出来上がった廃墟たちは、悲しく神秘的で、いくら眺めていても飽きることがない。個人的にはベーリッツ・サナトリウムとディスコ・インフェルノがお気に入り。2016/03/28