ワウシュヴィッツ

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  • サイズ A5判/ページ数 1冊(ペ/高さ 22cm
  • 商品コード 9784864084031
  • NDC分類 726.5
  • Cコード C0793

内容説明

なんだか僕はこわかった。なにかがすこし変だった。僕は心細くなってないてみた。ちいさな声でないてみる。もう一度だっこして、おりこうにするから。おしっこも覚えるし、かんだりしないし、静かにしてるし、みんなともなかよくする。いいこにするから、ぜったいするから。人間のワガママで、たくさんの動物たちの心を奪っている現状を、やさしくもズッシリと教えてくれる絵本。

著者等紹介

吉川愛歩[ヨシカワアユミ]
1979年東京都出身。作詞や脚本の執筆活動を経て、2006年『こおりの瞼』(講談社)でデビュー。以降、雑誌や携帯メディアなどで小説を執筆。2007年、出産したときのことをつづった詩「イノチノイト」が「トツキトウカ×葉加瀬太郎子守唄プロジェクト」にて選ばれ、CD『トツキトウカ~ママが贈る子守唄』(ハッツ・アンリミテッド)に収録されている

矢原由布子[ヤハラユウコ]
京都府出身。高校・大学ともに美術を学び、卒業後は個展やイベントへの参加などで活躍。2009年、上京、『ワウシュヴィッツ』がデビュー作品(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

cozicozy

38
【図書館】『ワウシュヴィッツ』というタイトルを目にして、あの歴史のアウシュビッツという言葉が浮かびました原作者の幼い日の思い出を元に描かれた物語。この話に出てくる現代の犬達にとって、今の犬達を巡る社会システムは、アウシュビッツそのものなのだと恐怖を感じました。罪のない動物たちに、人間は恐怖を与えている。この社会に生きているのだから、自分もその社会の一人であると、改めて、遠いところから見ていた自分の気持ちに気づきました。動物と人間は、言葉の意思疏通が出来ない。でも、命の重さは同じだです。隣にただ黙って居てく2014/02/25

鷺@みんさー

31
絵本の形で、残酷な「命の選別」を、易しく教えてくれる作品。易しいけれど、優しくはないこの絵本を描いた作者は、きっと気持ちのやさしい人なのだと思われる。タイトルはもちろんあの悪名高き「アウシュヴィッツ」になぞらえ、売れ残り消えていく犬たちの、切実な叫びを伝えてくれる。衝撃的だが、それ故に子どもたちにも読んでほしい。犬は健気で、愛したい愛されたい生き物。その思いを率直に描いたこの作品が、どうかもっと広く知られてほしいな、と思う。

けんちゃん

24
読友さんのご紹介本。都立図書館からお取り寄せしてもらいました。表紙の青い縞のパジャマがアウシュヴィッツを思い起こさせます。人間の身勝手で、愛でられ、邪魔にされ、捨てられ、殺される。もっとも憎むべき悪のひとつとして、刻まれているホロコーストの悲劇。でも動物たちにとってのホロコーストは今も尚続いている。そしてそれに加担している人間の罪深さ、悲しさを感じます。読みながら、どんどん胸が痛くなり、最後は号泣でした。子どもの頃の経験をずっと抱えてきた作者の思いは計り知れません。 2013/10/16

AN

8
最初にこの本を読んだ時はとても衝撃的でした。いつも目を背けている事実に「そらさないで!助けて!」という動物たちの悲鳴が聞こえてくるよう。実際にあったユダヤ人収容所アウシュビッツになぞらえた保健所の様子。愛玩目的で生み出された動物が、人間の身勝手で可愛がられず殺されていくのは、本当にやるせない。今後もし動物を飼うことがあったら、また読みたいと思う一冊でした。2012/12/11

宇宙猫

6
タイトルからして衝撃的。すごく薄い絵本で、絵のタッチも柔らかなのに、心を強く揺さぶってくる。本が叫んでいると思った。こどもよりも大人に、ぜひ。犬好きの人だけでなく、すべての動物を愛する人に。2015/04/09

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