出版社内容情報
戦時下の挑戦・中国へ…。失跡した親友を追う大学生昭夫。国境にへだてられない若者たちの愛と友情を描く冒険三部作を全1冊に。 小学校高学年~中学生
内容説明
「五族協和」の虚偽に気づき、抗日運動に身を投じた親友の行方を追って北京へ、モンゴルへ―。終戦前後の重い時代の流れに抗して、民族と国境を越えて、愛し合う西年群像をえがき、ロマンとサスペンスを軸に、15年戦争の真実にせまる。
目次
第1部 一九三九年・大陸を駆ける
第2部 一九四三年・切りさかれた大陸
第3部 一九四五年・夏の光の中で
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね
0
堂々600ページの大著だが、中身は中高生向けの「読みもの」といった風で、構える必要はない。書きぶりはとても平易だけれど、満州国から日本の敗戦、朝鮮半島分断まで、民族自決とは何か、国境の手前と向こうはどうちがうのか、そいったことを厳しく問いかけてくる。朝鮮、中国、モンゴルそれぞれの生活感を、作者はよく知っているのだな。さすがに古くなりかけた描写も散見されるが、それには目をつぶって読み進もう!2018/09/20
zatugei
0
アーサー・ビナードの対談集で、故・高畑勲が撮ってみたい作品としてあげていた本。大戦中の満州・朝鮮半島での日本人学生が、否応なしに国際的な戦いに巻き込まれて苦悩し、戦っていく姿を描く。おそらく安倍晋三のじいさんたちがやってきたであろう、おぞましい歴史。2018/05/06