無双舎F文庫
罠を跳び越える女―この女、この恋〈2〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 252p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784864080309
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

僕の存在を、今僕の書いている仕事の中にだけ見てください。僕の肉体は貴方の前ではもう殺そうと思っています―作家・坂口安吾は別れの手紙を送った。相手は美貌の作家・矢田津世子。最初で最後となったいちどきりの接吻を交わした翌日のことである。同棲や享楽的な恋を繰り返す一方で、5年間に渡り貫いた津世子への純愛を綴った安吾の作品2編と書簡、恋よりも創作に生きようとした矢田津世子の代表作『神楽坂』などを収録。

著者等紹介

矢田津世子[ヤダツセコ]
1907年、秋田県生まれ。津世子を文学に導いた実兄は元大和生命社長。東京の私立麹町高等女学校を卒業後、左翼思想を書いた作品を発表しはじめる。1933年、坂口安吾らの同人誌『桜』、その後『日暦』『人民文庫』に参加。吉屋信子が「爽やかな美少年のよう」と語った美貌と文章力で人気を集める。1936年『神楽坂』で芥川賞候補となる。肺患のため37歳で死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ぼっせぃー

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「凍雲」「神楽坂」「茶粥の記」坂口安吾「二十七歳」「三十歳」。安吾と矢田津世子は先日読んだ『マチネの終わりに』を現実で地で行ってしまったふたりだった。そこには一見美しくもあるプラトニックな悲恋が、お互いの一筋縄でいかないコンプレックス等のもとぐらぐらと成立しており、しかし案の定崩れてしまった顛末が提示されている(ただし安吾の側だけから見て)。リアリティがあれば良いという話ではなく、先の作品の上っ面を撫でたような描写が大変お寒く感じてしまった理由がここにある。2020/08/29

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