内容説明
芸術と社会との関係を問い直す。個人の営み・個性の表現である芸術は、一方で社会のなかに生まれ、社会によって変化し、社会にはたらきかける力を持つ存在でもある。その芸術は、いかなる政治的・経済的環境のもとで生み出されたのか。それはなぜ受容者に受け止められ、それを必要とした社会は何を求めていたのか。本書は、社会の多様な位相における影響関係のなかで、近代の西洋、東アジア、日本の芸術を再考する。
目次
1 芸術体験の現場(本願寺絵所について 西山別院本堂障壁画を中心に;美術展覧会場としての商品陣列所 ほか)
2 社会と共振する芸術(『道房公記』にみる「九条家代々御影」について;戦前の日本における近代ベルギー美術の受容 ほか)
3 芸術のメディアの接近(明治・大正のメディアにおける“芸用モデル” スキャンダルの種から職業、そして画題へ;明治大正名作展の基礎的考察 ほか)
4 危機の時代の芸術(疫病と美術 イタリアのペストを中心に;セザンヌと社会 ほか)
著者等紹介
高階絵里加[タカシナエリカ]
京都大学大学院地球環境学堂教授、京都大学人文科学研究所教授。美術史
竹内幸絵[タケウチユキエ]
同志社大学社会学部教授。広告史、デザイン史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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