内容説明
明治期から占領下まで日本映画史の断層。映画の渡来時に残された短いフィルムの断片、日本映画が自立するための試行錯誤、そしてプロレタリア映画運動が弾圧され、次いで戦意高揚のために政府・軍部が主導した映画、さらに占領軍の視線の下での戦後映画の出発―。ナショナリズムが大きくせり出してくるなかで、時代の波に揺れ続けた日本映画の姿と、その渦中に生きた映画人たちを描く。
目次
1 日本映画の出発と展開(映画の渡来―エジソン映画と日本;模索する「日本映画劇」 ほか)
2 プロレタリア映画運動の闘争と挫折(武器としての映画―「プロキノ」運動と佐々元十;村山知義とプロレタリア映画運動 ほか)
3 記録・教化・宣伝(台頭期のドキュメンタリー映画と記録映画;映画時代と機械芸術―板垣鷹穂の「映画教育」観 ほか)
4 全体主義の影の下で(日本映画とナショナリズム;アジア主義の幻影―日本映画と「大東亜共栄圏」 ほか)
5 閉ざされた目・開かれる目(占領初期の日本映画界;『明治天皇と日露大戦争』と大蔵貢―懐旧と復古)
著者等紹介
岩本憲児[イワモトケンジ]
1943年、熊本県八代市生まれ。早稲田大学名誉教授。専門は映画史・映像論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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