内容説明
大事な人の言葉のかたちが変わっていく未来を前に、立ちすくんでしまった詠子。恐怖と不安に押しつぶされ、声を失ってしまった詠子の前に現れたのは…。詠子が選んだ進路、そして、永く続いた詠子の恋の結末は?出会った人々と心をつなぎ続けた「言葉屋のたまご」の物語、最終巻です!
著者等紹介
久米絵美里[クメエミリ]
1987年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。『言葉屋』で第5回朝日学生新聞社児童文学賞、『嘘吹きネットワーク』(PHP研究所)で第38回うつのみやこども賞を受賞
もとやままさこ[モトヤママサコ]
1982年、神奈川県生まれ。武蔵野女子大学文学部日本語日本文学科卒。イラスト・書籍の挿絵などで活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nyah
41
「さよなら」は「さようであるならば」接続詞を転用した別れの挨拶。別離を殊更言い立てるのではなく、ありのまま受け入れ、受け止めた過去を未来へとつなげていく言葉。素敵です。/「六次の隔たり」全ての人や物事は6ステップ以内で繋がっていて、友人数の六乗で示された世界中の人々と間接的な知り合いになることができるという仮説。/大事なおじさんの病気を受け止められず、失声症を発症した詠子。今まで彼女が関わった人達に励まされ「声を届けたい」と思った事。伊織の留学。彼女 が進んだ進路。そして永い詠子の恋は❤️。年取っても一番2024/09/23
joyjoy
12
最終巻。詠子ちゃん、たくさんの人と出会って、つながって、大きくなったね。あと少しの子ども時代が残っているあなたがうらやましい。というより、あと少しの子ども時代が残っている今のあなたに、しっかりと向き合って、伝えるべき大切なことを、言葉にして贈ることのできる、おじさんやお母さん、まわりの人たちがうらやましかった。私自身は、肝心なことをいつも言葉にしそびれている気がして。言葉にすること以外にも大切なことはあるけれど、伝える、つながる、そのために、言葉というものについて、これからも考えていきたいな。ありがとう。2024/06/28
ふなこ
10
シリーズ10巻目。完結編。出てくるみんなが優しくて、それは今まで詠子が悩んで考えて他の人の心も大切に進んできたからだと思ったら涙が止まらなかった。このシリーズはすごく私の心に刺さる。読む度に沢山の本を読んでいるのだから、ちゃんと言葉を選んで人と接したいと思わせてくれる。詠子、いっぱいがんばったね。おつかれさま。2024/07/18
izw
9
「言葉屋」シリーズ第10巻で最終巻。第1巻が2014年に刊行されたが、ぼくが読み始めたのは2017年。それまでに出版されていた第3巻まで読み、それから発刊されるのを楽しみに読み続けてきた。本巻では、おじさんの入院にショックを受け詠子の声が出なくなる。小学校から関わった友だちが心配して連絡したり、訪ねてきて、それぞれの関わりを思い出す。音のない中で、いろんな思いが錯綜する雰囲気、言葉に対する繊細な思いは、シリーズを通して一貫している。言葉屋にならないと決めた詠子だが「言葉屋」の神髄を探すことになるのだろう。2024/08/28
ひろんこ
5
1巻から10年、経っていたんだね。伊織くんとは…もどかしかった。でも…好きだよって言ってんじゃん。素敵♡言葉屋って、おばあちゃんが名付け親って事なんだよね。詠子みたいにここまで多くの人は会いに来たり心配はしてくれないと思う。でも1人じゃないってメッセージは受け取った。いつもうるうるしてきたけど今回は涙がつたった2024/05/16
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