内容説明
従来の新劇がかつての勢いを失い、メディアや娯楽が多様化するなか、1970年代まで勢いのあったアマチュア演劇はどのように変貌したのか。今日各地で活動する、さまざまな劇団や演劇集団の実地調査をもとに、地元に密着した市民演劇の活動、地域社会や行政との関係を明らかにし、芸術と社会の新しい結びつきをさぐる。
目次
総論(「素人演劇」の現在―様式・教育・コミュニティ)
1 「地域市民演劇」と様式(「名もなき民の/声なき歌を/道に立つ人よ/風に解き放て」―パブリック・ヒストリーとしての「現代版組踊」;宝塚風ミュージカル劇団のオリジナリティ;地芝居(素人歌舞伎)の現在)
2 「地域市民演劇」と教育(赤門塾演劇祭―学習塾を母胎とする演劇創造;「女子校ミュージカル」の絆;市民ミュージカルの興隆)
3 「地域市民演劇」とコミュニティ創生(地域共同体における「素人演劇」―神社祭礼との関わりから;超高齢社会における高齢者演劇の展開―「老いの空白」を豊かにするもの;「弱さ」とともにある表現―紙芝居劇団「むすび」)
著者等紹介
日比野啓[ヒビノケイ]
成蹊大学文学部教授。専攻=演劇史、演劇理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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