内容説明
戦後の膨大な住宅需要のなかで、東京北区に残された広大な陸軍の火薬庫跡地に、5000戸を超える「都営桐ヶ丘団地」が誕生した。それから約60年を経て建替えの時期を迎えたこの団地をフィールドに、当時憧れの団地に入居できた喜び、建替えがもたらす戸惑いやコミュニティのゆらぎ、高齢化と介護、孤独死の問題など、団地住民たちの声を聞き取りながら、巨大団地と住民たちの戦後の歩みと現在をつづったエスノグラフィー。
目次
第1部 団地と家族(「家庭」の成立と「団地族」の誕生;戦後公営住宅政策の展開と衰退)
第2部 老いゆく団地(都営桐ヶ丘団地の暮らし;介護保険時代の老いの経験)
第3部 建替えと1DK(建替えと高齢化;居住の貧困)
第4部 孤独と尊厳(孤独な死;また、団地ライフ)
著者等紹介
朴承賢[パクスンヒョン]
1977年、ソウル生まれ。ソウル大学大学院人類学科修士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻(文化人類学)博士課程修了。博士(学術)。文化人類学専攻(日本と韓国社会の高齢化と福祉、家族と住まい、老年と死、市民社会と公共性に関する研究を行う)。ハンリム大学生死学研究所HK研究教授を経て、現在、ソウル大学人類学科BK21プラス事業団助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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