内容説明
王国成立に至る琉球の歴史は沖縄本島における「内的発展」で説明しうるのか。沖縄の独自性・独立性を強調するあまり打ち捨てられてきた周辺地域の動態に焦点をあて琉球史に新たな展望をひらく。
目次
1 グスク時代の開始
2 十四世紀代の社会変革と交易システムの転換
3 「三山時代」から琉球国へ
4 十四世紀代の交易システムの転換の要因
5 古琉球時代の琉球国
補論1 行政分離地域の考古学
補論2 中世奄美の城郭遺跡
補論3 沖縄におけるグスクの構造化
著者等紹介
吉成直樹[ヨシナリナオキ]
1955年生。法政大学沖縄文化研究所教授。地理学、民俗学・民族学
高梨修[タカナシオサム]
1960年生。奄美市立奄美博物館学芸員。日本考古学
池田榮史[イケダヨシフミ]
1955年生。琉球大学法文学部教授。考古学(水中考古学・戦跡考古学を含む)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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犬養三千代
9
古琉球時代論。 考古学的見地から始まる琉球論。三山時代の権力分立はどうなのか?から1609年の薩摩侵攻までを扱っている。琉球は日本の外側だった時代。琉球の外側だったトカラ列島、宮古、八重山など内に外に変遷しつつ歴史は刻まれる。 支配と被支配が錯綜。おもろそうしの引用は興味深い。2019/03/05
kaeremakure
2
ハードな学術書だけど、自分のようなド素人のほうがスリリングな読書を楽しめるかも。考古学的データとほとんど神話的な文字史料しか残ってない謎に満ちた琉球王国前史。狩猟採集社会に突如として現れる各地のグスクと按司。「倭寇による琉球建国説」は全然知らなかったけど割と昔から提唱されているらしく、折口信夫も「第一尚氏のルーツは肥後から来た名和氏」などと言っているそう(本当なら船上山の悪党が随分遠くで王国を建てたものだ)。グスクとされる各地の遺跡の中にはむしろ内地の「中世城郭」に近いものがあったりするというのも面白い。2015/08/26
SEKiYA EiiCHi
1
図書館2016/08/12