内容説明
民俗学は、ながくその研究対象を「民俗」に限定し、人間を「民俗」の容れ物としてしか扱ってこなかった。そのような人間観から脱却し、人間そのものを捉える学問として民俗学を再出発させる。
目次
序章 民俗から人間へ
第1章 村落研究の再考―同質化に抗する個人の生活史
第2章 民俗学からみる人権―村八分の解釈をめぐって
第3章 移動の日常性へのまなざし―「動」的人間観の獲得をめざして
第4章 伝統をつくり、伝統がふるまう―老舗の過去をめぐる実践
第5章 ジェンダー視角の民俗誌―個と社会の関係を問い直す
第6章 「始祖王」の正統性―民俗学からみた現代韓国/北朝鮮の政治文化
第7章 自分自身について語ること―民俗学における“再帰性”
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
西野西狸
5
再読。個人的には一番最後の論文が好き。いままで研究者が民俗を勝手に判断していたことの反省と、近代において自らを意識し、自分語りをする個人をどう民俗学でとらえていくかと言うのは目から鱗が落ちる。2017/08/06
ガジ
1
3月にきいた研究会で紹介されていて気になっていた本。学会で買えた。序章3節の「人間を捉える」ってとこと7章の「自己言及と経験」に心惹かれた。自分の命とか経験とか、振り返って意味づけていって、それでなんとか納得して生活してる。ささやかな解釈に寄り添える人でありたいね。2022/10/16
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