内容説明
長歌形式は『万葉集』の時代をひとつの頂点として、以後急速に衰退していく。その後、江戸時代中期になって国学の隆盛と古学復興、古代和歌研究と古風和歌の流行などを背景に復活していく様相を明らかにする。
目次
第1章 近世長歌の表現と様式(賀茂真淵の長歌表現―長歌形式の復興;江戸派の長歌表現―叙景表現をめぐって;本居宣長の長歌表現―「古風」と「後世風」)
第2章 近世長歌の叙情と題材の拡大(納涼長歌論―県門女性歌人の長歌表現と叙情性;追悼長歌論―近世追悼長歌における先行表現の摂取;恋歌長歌論―近世中・後期における恋歌長歌の再生と展開;詠史・詠物長歌論―中島広足と青木永章の長歌を例に;新奇を描く幕末・明治長歌―弁玉の汽車詠長歌を中心に)
付 資料編(中島広足『橿園長歌集』(第一集)翻刻
中島広足『橿園長歌集』(第二集)翻刻
青木永章『玉園長歌集』翻刻)
著者等紹介
田中仁[タナカヒトシ]
昭和55年(1980)、東京都生。平成20年(2008)、学習院大学大学院人文科学研究科日本語日本文学専攻博士後期課程単位取得退学。博士(日本語日本文学)。現在、学習院大学文学部非常勤講師。専門、日本近世文学(とくに和歌)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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