内容説明
平安期の日記文学や物語に「他者」「女」「家」「ミヤコ」「原郷」等はどのように描かれているのか。文化的アイデンティティの形成と古典文学・日本文化論との関係を視野に入れながら、「自己言及」の可能性と限界をさぐる。
目次
序章 自己言及テキストの意義と、その基礎づけ(オリエント幻想のなかの「平安文学」)
第1章 「ヒナ」と「ミヤコ」の狭間で(さすらいの旅の果て―『土佐日記』に見る音声中心主義と、その行方;ふるさとから遠く離れて―『更級日記』における「ミヤコ」と「ヒナ」)
第2章 テキストの「内」と「外」(啓蒙的理性の衰え、もしくは女房集団の文学―「女流日記文学」から「女房日記」へ;テキストの「内」と「外」―蛍巻「物語論」における、自己言及のパラドクス)
第3章 二つのテキストと、一つの自己像(囲い込まれ、横領される「女」の言説―『無名草子』のトポロジー;夭折の貴公子へのレクイエム―「モデル小説」としての『松浦宮物語』)
著者等紹介
深沢徹[フカザワトオル]
1953年、神奈川県相模原市生まれ。県立大和高校卒。立教大学大学院修士課程修了(文学博士)。現在、神奈川大学外国語学部教授。平安・院政期文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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