内容説明
細川・六角・法華宗・本願寺・比叡山…諸勢力が入り乱れ、洛中洛外を焼亡させたバトルロイヤル!武装して京の自治を担った法華一揆の盛衰を描く。
目次
序章 ひとつの問答が引き起こした宗教大乱
第1章 鍋かむり日親―京都へ進出する日蓮宗
第2章 対決前夜
第3章 山科本願寺との戦い
第4章 法華一揆と一向一揆、休戦へ
第5章 法華一揆の洛中支配
第6章 決戦・天文法華の乱
終章 法華一揆の終焉
付章 松本問答―天文法華の乱の引き金
著者等紹介
今谷明[イマタニアキラ]
1942年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。京都大学助手、国立歴史民俗博物館助教授、都留文科大学学長などを歴任。現在、国際日本文化研究センター兼横浜市立大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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六点
75
天文二年(1532)から五年(1536)に掛けて、京都の郊外で始まった一向一揆とこれに対して始まった日蓮宗徒の法華一揆の対決を描いた「一種のノンフィクション、ドキュメント」として描いた一冊である。ソ連の滅亡から時間が経ち、右翼左翼と騒がなくなった時代で有りながら、この事件を取り上げるさいには、ガチの信仰告白が求められる。この世俗化した日本に於いてであるのに。因みに今谷先生のご宗旨はキリスト教であるそうな。護教的記述の論文も多いらしいのである。六点の宗派は当事者の末裔たる浄土真宗本願寺派だから困った事になる2024/11/22
白隠禅師ファン
13
この一連の事件の存在は、以前から知っていたけど、洛中洛外がここまで被害を受けていたとは思っていなかった。にしても、今谷先生の生き生きとした筆致に、思わず惹かれました。一種のドキュメンタリーですねこれは。2024/11/30
bapaksejahtera
12
武装町衆による首都の支配並びに宗派間の宗教戦争等、西洋史に比肩すべき事態があった。資料的制約や史観の偏頗により知る事の少なかった天文年間(16世紀前半)の事態について考察を加えた歴史書が三版を加えてなった。先駆けとなった万を越える武装農民一向一揆の威勢は、室町幕府の制御不可能な迄に膨れ上がる。近江に逃れた将軍に代った管領細川晴元は、京都の治安維持を担うに至った法華宗の町衆に頼る他無い。武士に代り法華寺檀は終に一向宗を滅ぼすが、事態を掌握した幕府と旧仏教により終に崩壊に至る。さながら絵巻物の如き展開の良書。2025/05/16
Go Extreme
1
戦国京都焼き尽くす 松本問答 発端 法華一揆 洛中支配 鍋かむり日親 京都進出 日蓮宗 非妥協 過激 不受不施 謗法排斥 鍋かむり伝説 殉教 天文改元 戦乱続く 法華一揆 一向一揆攻撃 法華一揆終焉 堺へ 冬の時代 京都焼亡 残党狩 仏罰論 同情広がる 法華二十一箇寺 帰京 牙抜かれた虎 去勢日蓮宗 山門末寺化 妥協 諸宗誹謗厳禁 近世町共同体 権力拝跪 事件史叙述 こだわり 法華一揆 町衆一体疑問 細川政権 ピエロ役割 延暦寺側から乱再検討 近江六角氏の役割 乱後寺地移動 課題 上杉本 復興京都2025/04/23