内容説明
さまざまな知略で生き残りをはかった佐竹・小田・宍戸・東条・関氏らの戦いぶりを、彼らを支えた信仰や流通とともに最新研究で解き明かす!
目次
第1部 常陸武士の合戦(鎌倉北条氏と常陸武士の相克;北畠親房と常陸合戦;室町から戦国へ、常陸武士の新たな戦い)
第2部 常陸武士の信仰と流通(中世の宗教と武士のネットワーク;中世の霞ヶ浦と水運網)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翠埜もぐら
18
小山、結城、下妻と地名にその名を残している常陸の中世に活躍した武士団の盛衰を、茨城県立歴史館が開催した特別展の図録から編集し直した物。鎌倉・古河公方がらみでサクッと解説されることの多かった鄙(西国から見た田舎)の武士が、やっと北条氏一人勝ち状態から抜け出せると思ったら、足利氏一人勝ち状態になっただけだったと言う状態からの興亡が面白かった。今読んでいる「武家の王 足利氏」とリンクしていて、直接対決から同じ足利氏を担ぎ上げた形に変形していくことも興味深かったです。でも小栗判官って常陸の小栗氏の話だったんだ。2023/04/22
さとまる
7
結城、小田、佐竹ら常陸や下総の武士がいかに南北朝の動乱期を過ごしたか。10年以上前の図録が元になっているので、最新の研究成果は反映されてないところがやや物足りない。信仰に関する部分はもう少しあってもよかったかな。2024/02/25
フランソワーズ
4
小山や佐竹、結城、小田等の大身だけでなく、宍戸や関といったマイナーな氏族の動向もカバー。でも後半の信仰と流通が出色でしょうか。 2023/08/12