内容説明
将軍の尊重、朝廷との協調、北条一族内の名越流、極楽寺流、金沢流ほか庶流によるそれぞれの思惑と動向。終わりのない血で血を洗う権力闘争。激動の時代を統治した鎌倉北条氏の全貌。
目次
第1部 北条氏嫡流の歴史(伊豆時代の北条氏―京とつながる新来の武家;北条時政―頼朝の挙兵を助けた初代執権 ほか)
第2部 北条氏庶流の歴史(大仏流―時房流の惣領家;佐介流―家運を左右した二つの事件 ほか)
第3部 北条一族の特徴(北条一門を中心とした幕府の運営形態;源氏将軍との関係 ほか)
第4部 北条氏のライバル氏族(梶原氏―頼朝死去直後に姿を消した鎌倉党;比企氏―北条氏最大のライバル ほか)
著者等紹介
野口実[ノグチミノル]
1951年、千葉県生まれ。青山学院大学大学院文学研究科史学専攻博士課程修了。文学博士。鹿児島経済大学教授、京都女子大学宗教・文化研究所教授などを経て、京都女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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六点
58
NHKはもう、この本の版権を買い取って副読本にしちゃうのが一番なのでないか?それほどまでに172ページに詰め込まれた情報量は多量にして、簡明を極めている。一般的な「東国武士」なる理解は大きく変わるはずである。ドラマがヒットし、本書も売れたらね。時政以前からスタートし、得宗代々、各分派、敵対し、滅ぼした他の豪族。バランス・オブ・パワーで成り立っていた足利氏などの大族、朝幕関係や摂家・宮将軍まで、ほぼ鎌倉幕府の全情報が詰め込まれている。所で川端康成は北条氏の分派出身なのだそうだが、一体、どの分家なんだろう?2021/11/26
まちゃ
58
最近読んだ「鎌倉燃ゆ」で、鎌倉幕府を主導した北条氏のことを知らなかったな、と感じたので手に取りました。貴族社会から武家社会への移行、武家権力の確立。北条得宗家と庶流の関係、権力構造など現代にも繋がる人間社会の縮図のような気もします。/[章立て]第1部 北条氏嫡流の歴史、第2部 北条氏庶流の歴史、第3部 北条一族の特徴、第4部 北条氏のライバル氏族2021/10/17
鯖
24
大河ドラマ特需バンザイ。関連書が山ほどでますよありがとうございます。北条氏の歴史を嫡流のみならず、庶流にライバルだった鎌倉殿の13人の氏族についても触れられているすぐれもの。北條の屋敷所在地の変遷も想像をまじえて、八幡さんの前あたりの地図と共に図解。若宮大路と小町大路の間だから、そんなに引っ越した感もないけど。個人的歴史用語でかっこいい度ランキング上位な、執権囲む会議の「深秘御沙汰」にも触れられててによによしてしまった。2022/01/02
サケ太
15
とても良い本。わかりやすくて、めちゃくちゃおすすめ。鎌倉北条氏の始まり、その特異性から始まり、歴代の北条氏の果たした役割が描かれる。鎌倉時代という歴史を作り上げた人々。非常に興味深かった。諸流についてもまとまっており、理解がしやすくて助かった。2022/05/24
kanki
14
北条氏。伊豆生粋の東国田舎豪族ではなく、中央権力、京都文化と繋がりの深い新米武家であった2021/12/10