内容説明
最新の研究成果をもとに、複雑な機構や政策を豊富な図版とともに解説!
目次
第1部 鎌倉幕府の戦争と政争(治承・寿永の乱―「源平合戦」の虚像と実像;奥州合戦―頼朝がこだわった平泉藤原氏の追討;梶原景時の乱―頼朝最側近のたどった運命 ほか)
第2部 鎌倉幕府を構成した人びとと機関(源氏将軍―後世の歴史に与えた影響;摂家将軍―九条道家と一族の盛衰;親王将軍―幕府の歴史の半分を超える在職期間 ほか)
第3部 鎌倉幕府の制度と政策(御恩と奉公―主従間で完結しない関係;御成敗式目―裁判の判決基準か、武家の基本法典か;鎌倉幕府追加法―式目と法の群 ほか)
著者等紹介
田中大喜[タナカヒロキ]
1972年生まれ。学習院大学大学院博士後期課程修了。博士(史学、学習院大学)。現在、国立歴史民俗博物館・総合研究大学院大学准教授(併任)。専門は中世武士団・在地領主研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鯖
23
このシリーズはホントわかりやすくてよい。当事者主義が確立され、強制執行が導入されたのも鎌倉中期とか、なんつうか今の裁判の原型そのまんまで鎌倉時代の訴訟面白いなあ…。鎌倉後期になると今の執行官のような使節遵行制度や和解にあたる和与も導入されてて和与状による当事者の合意を幕府が保証するとかよくできてんなあと感心する。実際にうまくいくかはまた別問題として。それが機能するには一応みんなが最低限の衣食住満たされた環境が必要…。そう今も…。2023/03/09
サケ太
20
非常に面白かった。鎌倉幕府という存在。武家政権はどのように確立されたのか。様々な事件を乗り越えてきたその経歴。興隆と衰退。権力を保証し続けてきたシステム。得宗北条家が実権を握り続けてきたとはいえ、公家将軍の存在は、後の武家政権と比較してもなかなか特殊に感じる。が、武家の権力基盤の安定してない時代における模索の結果か。2021/09/05
kanki
13
鎌倉時代に裁判制度が発達。証拠集めは自分で。勝訴しても結局合戦。後期から強制執行制度確立2021/12/08
フランソワーズ
11
関連の歴史一般書をいろいろ読んできたけど、鎌倉幕府の基本といえる事項を説明できるかどうか、実は微妙なところです(つまりしっかり理解しているということ、です)。そういったことを図説付きで分かりやすく説明しているので、今後も手に取る機会大の重宝本です。2022/06/04
さとまる
9
鎌倉幕府の戦乱、機関、制度について図版をふんだんに使って解説。私自身鎌倉時代に関する予備知識はあまりなかったのだが、すいすいと読むことが出来た。「御恩と奉公」程度は知っていたが、この本で初めて所領の給与が地頭職への補任という形で行われると知った。この本をきっかけに鎌倉時代に関する本も読んでみようかしら2021/06/29