内容説明
九州を制するのは、俺だ!黒田如水と連携し、領土拡大を図る加藤清正。情勢を見極めた鍋島直茂は、立花宗茂に襲いかかる。それぞれの思惑が錯綜し、存亡をかけた勇将たちの戦いはどのような結末を迎えたのか?
目次
第1部 生き残りをかけた九州東部戦線(佐賀関での大激戦;日向宮崎城の攻防)
第2部 加藤清正と相良頼房の野望(家康から警戒された清正;頼房の寝返りの真相)
第3部 西軍として転戦した筑後の諸大名(情勢を見極めた老将・鍋島直茂;立花宗茂、鍋島勢と激突)
著者等紹介
光成準治[ミツナリジュンジ]
1963年生まれ。広島県出身。2006年、九州大学大学院比較社会文化学府博士課程修了。同年、博士(比較社会文化)学位取得。現在、九州大学大学院特別研究者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
12
小説などでなんとなく知ってるくらいなので面白かったです。じ後決済みたいなところも情報の乏しさを考えるとよくわかりました。2020/07/23
Taka
11
冊数を達成したいので今年も薄い本ばかりを読んでしまった。小牧長久手合戦。バトルオブ関ヶ原。この二つの合戦については全国規模でなんとなく何が起こったかは把握しておきたいな。加藤清正、島津家、立花宗茂、黒田如水、鍋島直茂、九州の地にも戦国スター達だらけ。あー宿敵も読み直したくなってきた。。時間がない時間がない。関ヶ原か終わった一報は二週間後に九州へ。婿養子の宗茂さんとりあえずひと暴れするその精神としっかり復活するところ好き。鍋島直茂の人生も知りたいな。色々な思惑渦巻くのはいつの人の世も同じ。だから歴史が好き2023/12/29
うしうし
11
関ヶ原合戦前後に九州を舞台として勃発した各地の戦役を平易に、しかも詳細に解説した良書。①佐賀関合戦(中川VS太田)、②日向宮崎城合戦(伊東VS高橋)、③加藤清正・相良頼房の動向、④鍋島直茂・立花宗茂の動向が記され、著名な石垣原合戦(黒田VS大友)は割愛されている。最終的には東軍方として生き残った大名達も、終盤まで去就を明らかにしなかったり、機に応じて領土に対する野心を捨てていなかったことがわかる。あえて指摘すれば、最後に筆者の総括的な記述がなかったのが残念。2020/07/26
金監禾重
11
大勢力だけでなく、豊後の諸大名や肥後相良といった小勢力についても動向を解説。基礎的な状況説明が丁寧で、地図が多いのもうれしい。加藤清正は思っていたよりも態度が曖昧なのに結果加増、その加藤と関ヶ原本戦後まで戦っていた相良は維持。一方で同じ内通・寝返り組に見えても維持あり、取り潰しあり。生存のために行動記録を捏造した者も多かっただろう。関ヶ原の論功行賞は謎が多い。2019/12/20
MUNEKAZ
9
九州の関ケ原というと黒田官兵衛ばかりが有名だが、それ以外の大名家の動きをコンパクトにまとめた一冊。大友旧領の豊臣系小大名の攻防や、日向での伊東・秋月・高橋の小競り合いなどなかなかまとまって読める機会のない話ばかりで面白い。なにより東軍・西軍を天秤にかけ、領国拡大を虎視眈々と狙う野心家・加藤清正の姿が実に印象的で、色々とイメージが改まった感じ。著者による現代語訳も、なんだか清正だけキャラ付けが濃い気がする。2019/01/14