内容説明
北条氏康や武田信玄と激戦を繰り広げた戦国関東のキーパーソン。時代に翻弄されつつも、上杉謙信を頼って家名を守り通した隠れた名将の生涯を照射する。
目次
第1章 父憲房の生涯
第2章 憲政の登場と上野国内の混乱
第3章 河越合戦の虚像と実像
第4章 信濃をめぐる甲斐武田氏との抗争
第5章 憲政を支えた人々
第6章 平井落城と一度目の越後入り
第7章 憲政と謙信の関係
第8章 越山と小田原攻め
第9章 夢破れ、上野から越後へ
第10章 憲政の最期
著者等紹介
久保田順一[クボタジュンイチ]
昭和22年(1947)前橋市生。昭和45年(1970)、東北大学文学部史学科国史専攻卒業。群馬県立高校教諭を退職後、現在、群馬県文化財保護審議会専門委員、みやま文庫編集幹事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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オルレアンの聖たぬき
3
歴史の敗者は史書に悪様に書かれる……の見本のような人生を歩んだ山内上杉憲政公。北条家を敵に迎えてしまったばかりに扇谷上杉氏、山内上杉氏も翻弄された。しかし関東管領たらんとする意気込みは十分であり、その点は評価されて然るべきだと思う。2021/08/25
相馬
2
愚将イメージしかない上杉憲政の評伝。越山が2回あったとか、謙信への上杉の付与が越山時ではなかったとか色々と興味深い。それでも、やはり憲政の事象、印象は薄いというかよくわからないまま。また、越後に行ってからの様子も全く触れられていない(御館の乱は別にして)。後、もう少し系図とかが載っていれば良かったかな。2017/04/30
アル
2
全体に憲政本人の存在感の希薄さが気になる。 これは本書の問題というより、憲政自身の記録が断片的にしか残っていないためか。 北条との河越合戦、北条氏にとっては今川・武田と和睦して包囲網を打破したことで事実上決着が付いており、決戦自体は北条氏にとっては消化試合だった、という説は興味深い。 読者としては、位置関係のわかる地図がもう少しあると良かった。2016/08/03
MUNEKAZ
2
評価の低い憲政だけど没落の原因は、若年での家督継承や内紛だらけの家中など彼の実力だけではどうにもならない部分が多いことを確認。ただ帯にあるような「隠れた名将」とまでは持ち上げられない人物かなとも思った。最期にあれほど激しく敵対した北条氏の血を引く上杉景虎の側に加担して亡くなったことが、周囲に翻弄され続けた生涯を表しているようにも感じる。2016/07/23
MNK2
1
憲政が主題の本だけど、印象が薄いのは結果仕方ないのかも。幼年での家督継承や内紛による家中の混乱、武田・北条との争いでは領地の維持は難しかったのだろう。憲政の年齢気にしてなかったけど、謙信と同年代だったのか。器量不足といってしまうのは酷かもしれないれど。2017/05/17