内容説明
路面電車の技術開発の歴史を詳解!路面電車の揺籃期から現代までの発展の歴史を、鉄道研究がライフワークの著者が徹底解説!!
目次
第1章 技師の時代(背景;電車の実用化の成功 ほか)
第2章 研究実用化の時代(「ERPCC」の新型電車;PCCカーによる技術進歩 ほか)
第3章 拡散の時代(米国の高速電車とPCCカーの技術;西欧に進出したPCCカー ほか)
第4章 脱皮の時代(戦後の西ドイツの路面電車:PCCカーへのアンチテーゼその1;戦後の我が国の路面電車:PCCカーへのアンチテーゼその2 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えすてい
4
表紙は名古屋市電2000形ワンマンカー。昭和30年代から40年代の日本を代表する「無音電車」だったが、活躍期間は短かった。一方でアメリカのPCCカーと共産圏のタトラカーは、基本的なメカニズムを維持しながら膨大な量数が製造され、特に共産圏ではタトラカーが路面電車を席巻した。日本にはない視点や技術、これが日本の路面電車の「ガラパゴス化」と中量輸送機関として発達しきれていないジレンマがある。ただ、和製PCCカーよろしく、タトラカータイプの車両が日本にやってきても現場では保守面や運転面で嫌われるだろうに違いない。2016/03/16
竜玄葉潤
1
表紙と表題から、勝手に「日本の」と思って読み始めたが、良い意味で違った。PCCとかタトラとか言葉では知っていたが、初めてちゃんと勉強できた。2018/11/27
やまほら
1
ノーベル文学賞は気にならないが、島秀雄記念優秀著作賞には興味を惹かれる。2017年の「単行本部門」で受賞した本書は、以前から「欲しい本」には入っていたが、路面電車ということで優先順位が下がっていた。受賞を機に読んでみると、これが実に面白い。電車の発祥からアメリカ中心のPCCカー、共産圏のタトラカー、そして現在の超低床車への流れが、単に鉄道だけではなく、技術史の視点で述べられている。技術の本だが、図や写真が豊富かつ適切で、難しく感じることなく読むことができる。これらの電車に乗りに行きたくなることは問題だが。2017/11/19
Ryuji Saito
0
2016年53冊目2016/03/24