内容説明
大分県の離島・風花島の網元夫婦が失踪した!台風の夜に次々と島で起こる殺人事件!私立探偵の葉山が暴いた驚愕の真相とは?「必読本格推理三十編」にも選ばれた犯人当ての傑作、ついに復活!他に『木乃伊の仮面』『殺戮者』の2長篇を収録。
著者等紹介
下村明[シモムラアキラ]
1922(大正11)年生まれ。昭和30年代から40年代にかけて大衆向けの読物雑誌で活躍
日下三蔵[クサカサンゾウ]
1968(昭和43)年、神奈川県生まれ。出版社勤務を経てミステリ・SF評論家、フリー編集者。編著に『天城一の密室犯罪学教程』(第五回本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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geshi
24
『風花島殺人事件』山前譲氏の選は本人が失敗と認める程の作品。トリックの手掛かりあからさますぎるし、計画的な犯人がこんな単純な失言で逮捕されるのも問題あり。『木乃伊の仮面』互いを探り合う男女という図がやりたかったのか。仮説の上に成り立つ動機のみで犯人としちゃうのはどうよ。『消された記憶』オチはそこまで悪くないから一人称にすればもっと面白くなったろうに。『殺戮者』捕虜時代の描写がリアルで、こんな雰囲気のミステリは読んだことないかも。思い違いも効いていて、この本の中では一番良い。2016/06/26
ヨコケイ
1
長編3つ+短編。「風花島殺人事件」大分が舞台。出だしは通俗PI小説風。探偵の許を若い女が訪ね、愛人関係にある男(50代妻子持ちの離島の網元)が蒸発したので捜して欲しいという。調査過程で島にいる網元の妻も失踪したとわかり探偵は島に渡るが…。スピーディにサクサク進行。描写は軽めで情感が湧く感じではないが、ペーパーバックとしては充分達者で好印象。警察も探偵も手堅く捜査してるから無能感もそんなにない。嵐で島に閉じ込められたり、「祟りじゃ~」な老婆も出てきてニッコリ。目を見張る謎解きがなくても楽しめる。2025/06/09
kanamori
0
☆☆☆2015/08/16
深川拓
0
ある男の失踪を追った探偵が遭遇した、孤島での殺人事件の謎を描いた表題作ほか長篇3作と中篇1作を収録。時代背景を濃厚に取り込んでいるが故の古めかしさはあるが、書き方が巧みでするすると読める。確かにミステリに慣れていなかったようだし、長篇がみな背景が似通っている嫌みはあるが、エピソードごとにひねりを加えて印象を変える職人的な技も見えて興味深い。2020/05/26
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- 和書
- 世界のへんな肉