目次
総論 房総里見氏論―研究史の整理を中心に
第1部 里見義実と前期里見氏
第2部 天文の内乱と稲村城
第3部 後期里見氏と関東足利氏
第4部 近世大名里見氏とその終焉
第5部 里見氏の諸資料について
著者等紹介
滝川恒昭[タキガワツネアキ]
1956年生まれ。國學院大學大学院博士課程前期修了。現在、千葉県立船橋二和高等学校教諭(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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bapaksejahtera
8
八犬伝里見氏の来歴は解らぬ事が多い。一旦滅亡した里見の遺子が海路館山から上陸して安房を領する等という事は絵空事。関東の小国でも所詮は外来の名族。在地国人との利害関係の中、国を保つ。関東は僻遠の地で残る史料は少なく、上州新田の流れという祖先由来を示す史料は乏しい。八犬伝時代のお家再興も最近では信濃里見氏入国説がある。その後16世紀半ばのお家騒動を乗り切り縮小し乍らも江戸初期迄存続する。その後は関東に外様大名が容易く存続する訳もなく滅亡の途を辿る。本書を充分咀嚼できた訳ではないが年来の疑問解消の一助となった。2021/01/13
BIN
6
里見といえば全盛期を築いた里見義堯が著名だが、本書では安房に初めて入国した義実や天文の内訌の義豊あたりに詳しい。秀吉の北条征伐では当然ながら反北条なのに帰参に遅れて上総を没収されて石高1/3になり、大久保長安事件でとばっちりくらって安房を取られて伯耆に飛ばされお家断絶という可哀想な一族。お家断絶なせいか資料が少ないのでまだまだわかってないことが多い。2017/10/17
いちはじめ
1
戦国大名クラスでも意外と判らないことが多いのがよく判る。まあ、江戸初期に滅んで史料が残りにくかったのだろうけど。僕が里見氏に興味を持ったのは、南総里見八犬伝序盤の主人公、里見義実の来歴があまりに胡散臭いので、史実ではどうなのか知りたかったためなのだが、そうか、はっきりしたことは未だに判ってないのだなぁ。2015/06/24