内容説明
日本人はなぜ、お稲荷さんに魅せられるのか―。伏見稲荷大社と「お山」の信仰世界、稲荷大神にまつわる多くの謎と多様な歴史に分け入り、お稲荷さんの魅力に迫る待望の一冊。
目次
プロローグ イナリの引力
第1章 伏見稲荷大社と稲荷大神
聖像で知る稲荷信仰 稲荷神の御影
第2章 稲荷信仰の世界
大江戸稲荷探訪録 東京のお稲荷さん
第3章 稲荷大神と出会う
巻末特集 全国稲荷の名社案内
著者等紹介
中村陽[ナカムラアキラ]
1935年、京都府生まれ。伏見稲荷大社宮司。財団法人伏見稲荷大社講務本庁管長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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なつきネコ@執事になる化け猫 全てのご主人様、お嬢様、紅茶をどうぞ☕
36
小説の資料用に借りた一冊。イチカラ知りたいという割にマニアック。中国の渡来人の秦氏から変遷が細かく書かれている。稲荷の女性イメージが弁財天から作られた。なるほど、これが狐耳の稲荷女の子のポップカルチャーにも影響を与えた源流なのかと変に納得。伏見稲荷山地区紀氏、賀茂氏の管轄であり、秦氏に変わっても、彼らの祀る蛇神のイメージが稲荷と合体。なるほど、更にインドからは荼枳尼天までイメージとなり南北朝の動乱に影響を与えた。古代から現代まで貫く変遷を稲荷神は影響を受けていることはすごく興味深い。2024/03/20
chang_ume
7
伏見稲荷大社および稲荷信仰全般について、おそらく唯一無二の概説書だろう。タイトルの敷居の低さにだまされてはいけない。読み応えあります。伏見稲荷大社に関しては、各時期の境内図を豊富に紹介。近代以降に成立した「お塚」信仰の特質も詳述あり。もちろん「七神蹟」をはじめとした境内解説も。また稲荷信仰については近世神道由来の説明に留まらず、習合神の性格を弘法大師信仰も交えてしっかりと。稲荷大社に焦点を当てると、歴史的には「東寺鎮守」としての位置づけが大きい。これさえあれば「稲荷」をひととおり学べてしまう。良書でした。2018/08/15
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
5
信仰とは、何かを信仰するのではなくて、人々が信仰した気持ちの集積が信仰の対象として具現化した、と思わされた。おキツネさまはもともと力を持っていたのではなくて、人々のすがる気持ちを受けとめたものがおキツネさまとなったのだ、と。2013/01/14
すったもんだ
4
う~ん。とっつきやすそうな表題の割には何ともとっつきにくい内容。ざっくりと稲荷=狐という現代的な考えを取っ払えたのはよかったけれど。監修と筆者が複数に分かれ、時折内容が重複もしている。初心者だとワードでいちいち引っかかるんじゃないかな。逆に詳しい人だと物足りないと思う。どっちつかずな本。2021/06/23
rbyawa
3
e147、う、うーん、「イチから知りたい」というわりにはやっぱりだいぶ難易度が高いような気も、ただ、この本が読めればそもそも複数の著者によって複数の見方(若干食い違いあったよw)が開示されているので、変な思い込みには陥りにくく、はあるかな? 習合された神であっても、性質が稲に関わるものであるはずだ、という人に賛同。荼枳尼天との関係も密教との親和性も一応わかったものの、狐との混同がちょっと納得いかず。稲荷神社の中での分類は興味深かったです、やっぱり邪教というか世俗信仰ではあるよね、しかし渡来系っぽい、難物。2014/05/27