出版社内容情報
広島市安佐動物公園に、一頭のキリンの赤ちゃんが誕生した。だけど、生まれてからまだ一度も立った様子がない。…おかしい。キリンは立てなければ、お母さんのお乳も飲めず、生きていくことが難しい。飼育員さんの頭には最悪な結末もよぎる。「だけど、希望はゼロではない!」ーーその日から215日にわたる、プロフェッショナルたちの熱いたたかいが始まった。決してあきらめず、ひとつの命を全力で守ろうとした動物園の飼育員さんたちと、キリンの赤ちゃんの物語。
内容説明
2020年4月9日。広島市安佐動物公園に、一頭のキリンの赤ちゃんが誕生した。だけど、生まれてからまだ一度も、立った様子がない。キリンは立てなければ、お母さんのお乳も飲めず―。命をめぐる、動物園の物語。
目次
第1章 赤ちゃんキリン誕生
第2章 絶望と希望のはざまで
第3章 リスク覚悟の大きな決断
第4章 麻酔下での真剣勝負
第5章 限界、そして新たな挑戦
第6章 失敗を重ねながら
第7章 「はぐみ」の前進
第8章 装具からの卒業
著者等紹介
佐藤真澄[サトウマスミ]
ノンフィクション作家、ライター。広島県福山市出身。『ヒロシマをのこす 平和記念資料館をつくったひと・長岡省吾』で児童福祉文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
43
サンドイッチマンのZOO-1グランプリが好きで家族でよく見ています。飼育員さん達の努力にはいつも頭が下がりますが、はぐみちゃんのお話はそのまま世界中のキリン飼育員たちが何かあった時に活用できるであろう研究内容でいっぱいです。大変勉強になりました。…この動物園に行ってみたいなあ。とはいえ自転車で上野動物園に行けるんだから、それはそれでラッキーよね。2023/01/13
spatz
13
これは日本の片隅の動物園であったことの記録。 でも、もっと大きな意味での #種の保存 につながること。 450日の妊娠期間を経て産まれるキリンの子。広島市安佐動物公園で生まれた子は、立ち上がることができなかった。足が変な方向に曲がっている。腱に先天的な異常がある、立ち上がれなればお母さんのお乳が飲めない、必然的に生き延びられない。 このキリンが駆け回れるようになるまでの記録。#NetGalleyJP2022/07/13
ときわ
5
動物の装具。最近では老犬や老猫、交通事故後の犬猫のための装具は珍しく無いらしい。でも障害を持って生まれたばかりだと、今後の成長があるのですごく難しいだろう。それが大型動物のキリン!何もかも初めての挑戦。動物園で考案したギブスで固定は限界になった。何とか突破口がないか大学のリハビリテーション学科(人間相手)に助けを求め、それに答えてくれた大学。なんて素晴らしいんだ。大学側も人間ではなく動物のキリンに対処したことは普通では得られない経験を積めたと思う。アシスタントの学生にはきっと忘れられない思い出だろう。2024/07/22
2時ママ
3
次女 小6 ひとり読み。2022/08/15
ブチ
2
図書館の本。普段何気なく通う動物園でも体調不良の動物たちの治療中という掲示がある。動物の種や体調不良の原因は違えど、この本で紹介された安佐動物公園の方々のようにみな来園者には見えない努力があるのだろうと改めて考えさせられた。いつか安佐動物公園にも行ってみたい。2023/01/08