出版社内容情報
大和田俊之さん推薦!
「日本語ラップ」と呼ばれる政治的/詩的な運動/文化の重力に真にふさわしい批評の誕生を心より祝福したい。
1970年代のサウスブロンクスで生まれたヒップホップ──このどこまでも「一人称」であることに固執するアートフォーム──の日本語における可能性をこれほど誠実かつ挑戦的に論じた書は他にないだろう。
歴史編、理論編、実践編とでも分けられる三部の構成を通して、本書は反復(the changing same)と迂回(signifying)を繰り返しながら、ヒップホップの日本(語)的「生」へと肉薄する。
「韻踏み夫」がついに本名で世に問う、渾身のヒップホップ批評!
RHYMESTERの宇多丸を最も重要な日本語ラップ批評家だと位置づけつつ、ヒップホップとは「“一人称”の文化」だというテーゼに注目。ヒップホップの本質を「反復=肯定」と概念化し、思想的に展開。作品論の実践として、SEEDA の『花と雨』を具体的に読み解いていく。
ヒップホップ批評の新たなマスターピース、ここに誕生。
「ヒップホップに特権的な身振り、身体性とは、「繰り返し首を縦に振ること」である。それは反復の身振りであり、かつ肯定の身振りである。首を振るという身振りにおいて、反復と肯定が結合されるのだ。首を振ること、すなわち反復=肯定。これこそ、私たちが最も重視する、ヒップホップの本質を表現するアレゴリーである」
(本文より)