感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
moon-shot
2
1933年にノーベル物理学賞を受賞した、あのシュレーディンガーの詩集。訳者の宮岡絵実さんは理系出の詩人で、合唱曲となった「平行世界、飛行ねこの沈黙」が多分一番知られてます。猫の御縁ですね。詩集はおそらく年代順の構成で、後ろに行くほど熱烈に愛が語られますけど、御本人は結構素行が悪いことでも有名だったので、あまり素直に読めなかった。死とか愛とか人生とかを理系の言葉で綴ってる前半の方が好きです。「ペアが対になり、また別れる、一種の相反するダンス 無秩序な戯れ」(出会い)なんて、なかなか良い表現だと思いました。2025/03/13
Moka
1
量子力学の大先生であるシュレディンガー!物理学者であり理論家である彼がどんな詩を書くのか興味があり、手に取った1冊。 基本は一般的で情状的な恋の詩だけれど、時折、時とか空間とか宇宙とか、物理要素がでてきて、量子理論を生業とする彼ならではの世界観が現れている印象を受けました。 本作中の作品だと、恋のうた、出会い、海辺で、あたりが好きでした。2025/04/03
ぶな
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誰もが知ってるあの「シュレディンガー猫」の物理学者が書いた詩だというのだから興味まんまんで手に取った。 読んで、本当にびっくりした。恐ろしく乙女チックなのである。 しかもド直球どストレート。詩がポエムと呼ばれる所以。洪水如くやってくるキラキラにのまれる一方。 こんな堅そうな顔と肩書の男がこんな真っすぐで美しい文章を書くのか。訳者もビビっている。 こんな話の分かる人とは思っていなかった。 表紙に恋する物理学者と書いてある。全然見てなかった。 白黒、添えられた赤と銀。開くと赤のエンボス紙。装丁も最高。2024/12/17