感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おーえ
5
電車で見かけた知らない男性の暮らしを覗き見しているような気持ちになった。 自分の中にもあるけれど言語化していなかった小さな心の動きを捉えてる落ち着いた歌が多くてよい。 1人での静かな発見をもとにした爽やかさと穏やかさが続く歌の中で、娘のハルをうたった歌は切実で刺さる。 「しなくても良い前泊に夜の窓あけてビジネスホテルの窓」 →しなくても良い前泊って最高。これを共感できるの嬉しい コメントによかった歌並べる2025/01/15
yumicomachi
3
淡々としてさりげないが、ときとして心の深いところに触れてくる口語体の短歌が374首収録されている。第二回笹井宏之賞長嶋有賞受賞歌人の第一歌集。〈「明朗」の朗ですという人と会い割り勘にした夏のいちにち〉〈なぜ知っているのドッペルゲンガーをパパもそういうのが好きだった〉〈海の日は移動祝祭日だから今年のハルは海の日生まれ〉〈てんとう虫に手首くるくる上らせてハルもくるくる回る公園〉等の歌に惹かれた。「ハル」は主体の子どもであるようだ。栞文を江戸雪、内山晶太、近江瞬、瀬戸夏子が寄せている。2024年7月15日発行。2025/03/09