内容説明
『時間と自由』『物質と記憶』『創造的進化』『道徳と宗教の二源泉』哲学者アンリ・ベルクソンの主著4冊を読み解く白熱の徹底討議。20世紀の生の思考がいままさに炸裂する。未来への可能性に満ちたまったく新しいベルクソン入門。最前線が、ここにある。
目次
序章 ベルクソンに出会う
第1章 『時間と自由』
第2章 『物質と記憶』
第3章 『創造的進化』
第4章 『道徳と宗教の二源泉』
第5章 これからのベルクソンをめぐって
付録 ブックガイド
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
燃えつきた棒
33
恥ずかしながら、ベルクソン関連の本を読むのは、今回が初めてである。 そんなことから、本書が入門書として書かれた対談形式の本であり、たいへん読みやすい本であったにもかかわらず、悲しいかな、あまりピンと来なかった。 収穫といえば、本書を読んで分からなかったことで、ベルクソンの『物質と記憶』、『創造的進化』を購入したことと、巻末のブックガイドで、青山拓央の『時間と自由意志』、ジョルジュ・ソレルの『暴力論』(上・下)の存在を知ったことだろうか。/ にもかかわらず、僕はまた、無謀にもベルクソンを手に取るだろう。2025/04/07
Bartleby
16
2022年ベルクソン研究書出版ラッシュを総括した対談・鼎談本。ベルクソンは、こちらが呆気にとられるほど、不意に変なことを言う人だ(だから読みつづけてしまう)と感じていたが本書でもそんな話が出ていた。「神秘主義」と「機械」を結びつけて論じるところなど非常に刺激的。にもかかわらず彼は極力科学的知見を重視していて、それを踏み台に形而上学にむかって跳躍する瞬間がスリリングだ。唯一、藤田氏の『ベルクソン 反時代的哲学』だけ未読だったが(何せ高い)、あまりに面白そうなので買ってしまった。2023/04/27
Y.T.
3
理系チックな話題が多かった。脳科学の話とか、遺伝子学の話とか、意識の話とか。ベルクソン自体が当時の最先端の科学を換骨奪胎しながら論を進めていたので、ベルクソン研究自体もそれをオマージュしているのだろうが、文科系の人間にとっては理解の上でも興味の上でもついていくのが難しい~という感じだった。なので平賀さんの神秘主義のパートがありがたかった。神秘家とは人を今までとは違う行動へと誘う誘惑であり、「憧れ」がそこで重要な役割を果たすということ。「憧れ」という人類に連綿と続く日常的感覚を掘り下げる面白さというか。2025/04/06
雪駄
3
対談形式のベルクソン入門と書いてあったので理解できるかと思ったけど正直全然わからんかった…。次は「世界は時間でできている」や「なぜ私は一続きの私であるのか」を読みたい!2024/07/09
りっとう ゆき
3
ベルクソンを、時間とか生命とか神秘主義とか、いろんな角度から論じてて、理論の全部はわからないながらも壮大で突拍子もなくて感覚としてすごくおもしろくて、それぞれの著作を全部読みたくなった。ドゥルーズとかも読み返さねば。2023/05/07