目次
はるしおん
かみなりのやうに明るい
あきつ、火の島、さびしさの森
降り得ない雪
せかいにきすを
石ころのやうに
かみさまの葡萄
鍵盤のことば
それきり愛の話をしない
櫛をなくした
オクトーバー・フール
演奏会
一本の葱
紅茶が雨を降らせた
穢土
春の服、月の虹
あめのくに
地図を抱く
少年イッポリート
山百合の野を
アンダンテ・カルマンド
はだれ踏み
オルゴール
著者等紹介
伊豆みつ[イズミツ]
石川県生まれ。上智大学文学部国文学科卒業。2014年、未来短歌会に入会。黒瀬珂瀾に師事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りっとう ゆき
8
旧仮名に今が混ざってて、エネルギーがすごくて、美しくぶっ飛ぶ。すごく好きな歌集になった。・うるせえぞおまへ、挽歌読んだろか。花のなまへをつけてやらうか ・からつぽの部屋をオルゴールと呼べばいちいちうつくしい雨である ・草生ゆるツイートあれば親指のしづかに灯す薔薇のはなびら ・われに絵具をさまざま与へ去つてゆくカフェのピアノは乱暴である 2021/07/22
トマス
4
作者が同じ石川県出身で気になっていた。多数派は考えなくてもいいことを、少数派が必死で悩み苦しむ世界。短歌という詩型に凝縮された叫びは切実だが、そこには音楽があり、ドストエフスキーがいる。「鍵盤は発語するのに適訳がない」けれど、心を動かすことはできる。2021/07/11
toron*
1
イリーガルガールリーガルガールからルール奪つて手を引き走れ! 雨を待つそしてアニメの二期を待つわれを追ひ出さない珈琲屋 ファインつて書けばフィーネだシャインシャインシャイン、拳を光のはうへ 慟哭の字に犬のゐて聖堂の扉のまへになんらかを待つ 調べがきれいで、旧仮名と単語の組み合わせの化学反応が楽しかった。「イリーガル〜」の歌はtwitterのTLで見かけたときから好きだったので、今回歌集に含まれていて嬉しい。一首だけ引くのが難しかったので挙げなかったが「演奏会」の章の歌はどれもすごく良かった。2021/06/20
藻岩山麓人
0
☆2021/11/14