内容説明
第一歌集。第2回笹井宏之賞、永井祐賞受賞!
目次
1(地上絵;星とカメレオン;世界中の鳥の名前;ドレス!わたしの絶望 ほか)
2(とおざかる星;うかぶわ;風なら;息の根を呼びとめて;銀色の靴 ほか)
著者等紹介
橋爪志保[ハシズメシホ]
1993年、京都市生まれ。2013年に「京大短歌」に入会し、作歌を始める。現在は、同人誌「羽根と根」の同人として活動中。2020年、「とおざかる星」50首で、第二回笹井宏之賞の個人賞・永井祐賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
40
笹井宏之さんから辿り着いた2冊目。その受賞理由がわかる。この独特の言葉遣いが、納得。軽いようでいて、投げかけるものは広い。日常を、どんな眼で見て表現するか。短歌の世界が広がる。2023/12/09
🈳
9
おちゃめでかわいい。愛に貪欲。宇都宮敦の解説がかなりよかった。すこしずれた感覚が普段からあるものってかんじでよい、歌のために呼び寄せたものはさみしいから。でもこういうことはあるよね歌が多い。髪型を風にまかせて川を眺める横顔を、靴ひもを結び直す背中を見つめるとき、あっ闇に触れちゃったって目を逸らす それをうっかりと表現するのはただしいと思った
トマス
8
どこかずれた見方を飾らずに提示する短歌のスタイルは、永井祐賞の受賞に納得できる。それでいて景色と心の動きがナチュラルにつながっていて「わからないけどわかる」感じが心地いい。生きのびるための真っ向勝負に疲れたときは、案外こういう歌集に救われるのかもしれない。2021/06/20
鳩羽
6
地上絵あげる、の直截さにやられてしまう。社会のグロテスクさ、そこにうまく馴染めない寂しさが伝わってくる歌が多く、若くて不安定な読み手の感情が伝わってくる。それは社会だけでなく、恋人(もしくは友人?)に対してもそうかもしれないし、いずれ結婚するのか子を持つのかの漠然とした未来への、敏感な反応としても現れているようでもある。だが、皮肉めいた嫌味さや、厭世感、露悪的な感情の発露はなく、素直に思ったことを言っているという感じが、よかった。より、寄り添いたい気持ちになれた。心が自然と歌と同じ向きを向いていく感じ。2021/09/30
午後
4
素晴らしい歌集。2024/03/05