目次
二〇一八(先端;二十五ノット;山公園 ほか)
二〇一九(黒き桜;新しき船;麦茶 ほか)
二〇二〇(十三級;自由;うさぎとマスク ほか)
著者等紹介
大口玲子[オオグチリョウコ]
1969年東京都大田区生まれ。歌誌「心の花」所属。早稲田大学第一文学部日本文学専修卒業。中国長春市、東京や仙台市や福島市で日本語教師をつとめる。1998年、「ナショナリズムの夕立」で第44回角川短歌賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
275
大口玲子の第7歌集。この人は「心の花」※を舞台に歌を詠み、これまでに数々の短歌賞に輝いている。歌は「心の花」らしく、歌人の感情世界がダイレクトに伝わってくる詠みぶり。大震災後の自己を見つめる歌群を収録。また、タイトルの「自由」も歌集全体のキー・コードである。「生きのびる自由を捨てて餓死刑を選びしコルベ神父の自由」これ以外にも自由を詠んだ歌は多い。ことに、わが子の不登校を肯定しつつ僅かに煩悶する自由、表現と生存の自由など。いずれも力強い歌であり、共感しつつ鼓舞される歌群である。2024/06/12
わいほす(noririn_papa)
7
第7歌集。都城市での2018年から3年間の日常を短歌で綴る。震災体験後、原発訴訟、死刑囚との対話など硬派な部分と観光や母としての心情など様々な歌があるが、カトリック信者としてのビッグイベントは教皇来日であろう。長崎球場アリーナ席での連歌にミサの圧倒的高揚感が伝わってくる。本のタイトルにもなった「自由」の章では、不登校の息子に「学校に行かなくてもよいが勉強はすべしと思ふ 自由のために」と詠んだ次の一首に「生きのびる自由を捨てて餓死刑を選びしコルベ神父の自由」があり、著者の思う「自由」の重さと覚悟が見える。2021/06/26
yumicomachi
6
キリスト者として深く思考し行動する著者第七歌集。原発をめぐる裁判に原告として参加する一連があり〈にんげんがメモをとりつつ聞くべきは椿の陳述 椿の夜に〉死刑を求刑された人の面会に行く一連があり〈殺された子どもがわが子だつたらと思ひ迷ひて選ぶカステラ〉不登校になったわが子を見つめる歌群がある〈学校に行かなくてもよいが勉強はすべしと思ふ 自由のために〉。ほか来日した教皇のミサや所謂コロナ禍などさまざまなテーマが骨太に詠まれている。読者に人間にとって自由とは何なのか考えさせる力のある歌集だ。2020年12月刊。2021/01/23
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