目次
1 絵画の思考(ジャクソン・ポロック―隣接性の原理;福沢一郎と場;限界経験と絵画の拘束―香月泰男のシベリア;差異と関係―ジョセフ・アルバースとブラック・マウンテン・カレッジの思想;ニューマンのパラドクス;ウォーホルと時間;辰野登恵子―グリッド/斜行/アクソノメトリー)
2 事物経験の位相(繋辞なき反復―高松次郎の非‐命題;レイバー・ワーク―カール・アンドレにおける制作の概念;都市の否定的なものたち―ニューヨーク、東京、1972年;事物の退隠―ロバート・モリスの盲目性;火星から見られる彫刻)
3 テクストの力学(自然という戦略―宗教的力としての民藝;ポスト=メディウム・コンディションとは何か?;形象が歪む―アヴァンギャルドとキッチュ)
著者等紹介
沢山遼[サワヤマリョウ]
1982年、岡山県生まれ。近現代美術/美術批評。武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程修了。2009年「レイバー・ワーク―カール・アンドレにおける制作の概念」で『美術手帖』第14回芸術評論募集第一席(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コバ
1
芸術作品には、その根底に原理や駆動が必ず存在する。 それを考えることから批評は始まる。 この本では何人かの芸術家と作品を取り上げそこに切り込んでいくが、なかなか難しかった。2022/07/09
わだ りゅうた
0
モダニズムからの変遷を時系列通りではないが、どこか関連が見えてくる順序で読める一冊。一つの章で取り上げるアーティストの実践していたことを徹底的に分析してます。取り上げるアーティストは絵画を利用する人が多いですが柳宗悦やイサム・ノグチ、ミニマリズムの彫刻家など様々です。作家の表現したかったこと、歴史的背景や社会情勢との関わり、それらのつながりがとても良い解像度で理解することができます。なぜ彼ら彼女らが、あの時代に自律性を求めて表現活動を行っていたのか、様々な関わり合いの力学を読み解くのにぴったりです。2024/03/05